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「聴こえない」から始まるストレス

発達障害、あるいは、成長が遅れている幼児を観察すると、ストレス度合いが高いことが分かります。

意思の疎通ができないため、施術も一筋縄にはいかず、手を変え品を変えて少しずつ進める以外にありません。

ところが、脳の言語に関する領域が成長し、僅かでもコミュニケーションが取れるようになると状況が大きく変わります。

指示が通り始めるため、施術しやすくなることも要因のひとつなのですが、特筆すべきは幼児のストレス度合いそのものが低下することでしょう。

逆に言えば「意思の疎通がはかれない環境で過ごすと甚大なストレスを受ける」という事です。

言葉を発っせない幼児ほどではなくとも、誰もが似たような経験をしていますよね。

主義主張の違いならともかく、対話が成立しない相手に遭遇すると、精神衛生上よろしくありません。



さて、ここで改めて考えて頂きたいのですが、難聴を患うとどうなるか? 

おそらく、言葉を発する時期が遅れた幼児と同等のストレスを受ける、そう考えるのが妥当でしょう。

聴こえにくいとはいえ、何度も聞き返すのは気が引けます。

よって、大半の方は「おそらくこう言っているのだろう」と予測をたてて対話を続けるわけですが、毎回そう上手くいくはずもありません。

すると、徐々に周囲から対話が成立しない相手と看做されてしまいます。

本人も他者との接触を避け始め孤立が深まってしまう、まさに負の連鎖ですね。他者とのおしゃべりが好きな人にとっては、なおさら深刻な問題になるでしょう。

あまり注目される機会はありませんが、普段から耳に負担を掛けすぎることなく、大切に使いたいですね。


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