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「じぃじ」よりも「ばぁば」を先に憶えるのは何故なのか?

いよいよGWですね。いかがお過ごしでしょうか。

お越しくださる方から伺っている限りでは、感染症を理由に帰省を控えるという話は聞きません。

まだまだマスクを着用している方も多く、終息したとは言い難い状況ですが、少なくとも気兼ねなく移動できる環境は整ったということでしょう。

ここ数年はGWだけではなく、年末年始、お盆の前には「今回は帰ってこれへんねん・・・」と、寂しげに打ち明けられるのが常でしたから、ご年配層にとっては待望の連休ですね。

ところが、連休の話を振った途端に、冴えない表情をした方(男性)がいらっしゃいました。

これは話題を間違えたか、と思いつつも、いまさらスルーしてしまうわけにもいきません。

やむを得ず「どうなさいました?」と尋ねてみたところ、ご子息のご一家は予定通り戻ってくるそうです。わたくし、心より安堵いたしましたよ。


この方を憂鬱にさせている理由は以下の通りでした。

長らく帰省できなかったため一念発起し、テレビ電話の環境を整え、お孫さんとモニター越しにやり取りしていたのだとか。

奥さん(ばぁば)は、オンライン関係は不得手のため、主導権はいつだって、じぃじが持っていたのです。

だがしかし、ここで予想外の事態が起こってしまいました。あろうことか、お孫さんが先に覚えた言葉は「ばぁば」だったとのこと。

ちなみに、「じぃじ」は未だに言えないそうです。儘なりませんね。

そこまで深刻な問題ではないでしょう、と思いきや、オンラインでは大きな意味を持つそうです。

何故なら、お孫さんが画面越しに「ばぁば、ばぁば」と呼びかけてくるため、じぃじは泣くなく場所を譲らざるを得ません。

苦労して通信環境を設定したにも関わらず、じぃじは一人蚊帳の外と相成りました。

なにせ「じぃじ」という単語を発せないため、誰かが気を利かせない限り永遠に出番は回ってきません。完全に場を整える係の人です。

なるほど、これは不憫すぎますね。

そういうわけで「何故ばぁばが先なんやろ・・・」と項垂れていらっしゃいました。


とはいえ、言葉を覚える順番に関しては「じぃじ」は「ばぁば」に敵いませんよ?

理由は至ってシンプルで、それぞれの母音を考えてみると理解できます。

「あ」は、口を開けて発音しますが、「い」は口を閉じる必要があるため、口の中が狭くなり共鳴しにくいのです。

音として成立させるのが難しいのですから、幼児が「じぃじ」ではなく、「ばぁば」を先に覚えるは必然ですよね。

決して、祖父よりも祖母が好き、そういう話ではないのです。元気出していきましょう。


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