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あらゆるものに“口コミ”が存在する時代に生きるということ

口コミ評価が悪い病院に行きました

今日、久しぶりに眼科に行きました。

数日前から画面を見るだけで涙が止まらなくなるレベルのドライアイと、
悪化して腫れ上がったものもらいを診てもらうためです。
(実は、これを書きながらも涙目になっています)

行きつけはなく近所の病院でよかったので、「●●(地名) 眼科」で探して一番にヒットしたところに行こうと思いました。
診療時間や地図を調べようとしてふと目に入ったのが、Googleの”クチコミ”の点数がとても低いこと。
普段は病院に対してそんな熱心にクチコミを見るようなことはしないのですが、点数が低いのが気になってしまったので読んでみました。

「医師の診察が適当でやる気を感じない」ほうほう?
「情報伝達ができておらず同じことを何度も聞かれた」へー、嫌だったのね。
「点数稼ぎのために視力検査をするな!」んん…?

マイナスな書き込みが多くありましたが、内容的には特段気にならなかったのでそのまま病院へ。まあ眼球切られるわけじゃないし。

受付の人はとても親切で、初診で予約なしでしたが、院内が空いていたのもありすぐに名前が呼ばれました。

視力検査と眼圧検査を受けました。
私は昔から近眼かつ重度のドライアイで、眼は超・超・デリケートな器官なのは身をもって感じているので、初診というのもあるでしょうが、眼の検査をしっかりしてくれたのは安心感がありました。

その後時間をあまり置かずに、医師の診察を受けました。私の母くらいの歳の女性です。
丁寧かつ優しい診察で、特に不快なことはありませんでした。

そのあとはお会計を済ませ、調剤薬局で目薬と軟膏をもらって帰りました。

結局、何ひとつ嫌な思いはしませんでした。

病院の口コミって本当にニュートラルかな?

何なら、今まで病院で嫌な思いをしたことはほとんどありません。

ちょっと怖い先生に遭遇することはあります。ぶっきらぼうな先生もいます。
でも、医師は接客業ではないし、(診療科にもよりますが)患者のメンタルケアが全ての職業でもありません。
私は診察を受け、薬の説明を受け、日頃の習慣に問題があればそれを聞き、薬をもらって帰れればもう何も言うことはないです。

この病院に限らず、口コミの点数が良くない病院って多い気がします。
でも、それって実態通りなのでしょうか?

本当に患者のことを考えていない医師なんていないと断言する訳ではありません。
私が幼少期に麻疹で高熱で苦しんでいたのを、ろくに検査もせずただの風邪だ気にしすぎと追い返されて母が激怒したことがあったらしいですが、事実ならそれが原因で死ぬ可能性があったので、とんでもないお医者さんは世の中にいるんだろうなとは思っています。
でも、病院は基本的に自分の身体に不安がある人が集まる場で、持病がある人もたくさんいて、ナイーブになっている人が多いからこんなことになっているんだという可能性を考えれば、ネットの口コミなんて正直それほど気にするものではないのかもしれません。
特に問題がなかった人は何も書き込まないけど、嫌な思いをした人が怒りに任せて書き込むという傾向もあるでしょう。

口コミという情報の大波

ここまで病院の話をしてきましたが、病院に限った話ではありません。
飲食店は言うまでもなく、企業、コスメ、漫画、家電、イベント…今や調べればなんでも口コミが存在します。

口コミは、利用者目線の感想を知ることができるので、自分が利用するときに見ると安心するし、判断材料にもしています。とてもありがたいものです。
(特に予約しようとしていた店がぼったくり居酒屋かどうかを調べるとき!)

でも、同時に、利用者の一方的な発信である以上、「言ったもん勝ち」な世界だとも思っています。

「口コミをした人の利用者目線」が、「その他の人の目線」「自分の目線」それぞれと同じであるとは限りません。当然ながら。
それでも他人の口コミを読むと「自分の目線」で追体験しているように感じてしまうのです。

SNSでバズったお店の予約が取れなくなるのも同じですよね。
良い口コミによって「自分もこの口コミのように素晴らしい体験ができるだろう」と思わせる訳なので。
なので、悪い口コミが拡散されてしまったら、そりゃもう大変なわけです。
それが理不尽なクレームであっても、見る人がそれを知るすべはないのですから。

正直、口コミを見て「えー、そんなこと気にする?」って思うときがあります。
でも、ここで大事なのは、それは投稿した人の価値観が間違ってる訳では決してないということです。その人が不快だったという事実はあるんです。

だからこそ、口コミに自分の判断を助けてもらうのはちょっと危険だと思うときがあります。
どんな性格、生き方、考え方かも知らない人の口コミ。
調べればすぐ出てくる手軽な情報であることは間違いありません。
でも、調べ物をしているうちに、気付けばいつの間にか振り回されてはいませんか。
私は振り回されていると感じます。
ときどき、自分の性格、生き方、考え方を忘れてしまうくらいに。

まばたきが大事

”適当でやる気を感じない”とGoogleのクチコミで言われていたであろう医師に、「あなたはまばたきの仕方が悪いのよ」とちょっと怒られて笑いました。
まばたきの仕方も忘れるほどに画面を見ていたんだ、って思いました。

もっと丁寧にまばたきしたいです。
肩の力を抜きたくてもそうはさせない情報社会は、生きるのがほんとうに難しいけれど、眼は大事にしよう。眼は。

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