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一生やれるやつ以外のこと僕全部やってないんですよ

昨年だっただろうか。
僕はこの言葉を聞いて、脳天を撃ち抜かれたような気分になった。

野田クリスタルという芸人の言葉だ。番組名は覚えていないのだが、この言葉だけがずっと頭に残り続けている。

2020年のM-1グランプリで優勝したマヂカルラブリーというコンビの細い方だといえば、分かる人もいるかと思う。

以前から僕は、この野田クリスタルという人物をどこか興味深い存在だと思って見ていた。筋トレオタクが高じてジムを立ち上げる。ゲーム制作を独学で行い、ついにはゲームまで発売してしまう。ハムスターを溺愛する。私服はいつもパーカー。仕事着はいつも白シャツに青いネクタイ。はっきり言って変人だ。だけど、自分の好きなことに全力で生きている変人だ。だから興味を持った。(ちなみに、本業のお笑いの部分に関しては好きだし面白いとも思うが、別に熱狂的なファンではない)

そんな彼の何気ない一言に、脳みそをブチ抜かれたのだった。

「一生やれるやつ以外のこと僕全部やってないんですよ。逆に、それ以外のこと全部やってないです」

カッコいいと思った。自分がやりたくても出来ない生き方を、この人はできている。

通常、人は生きていく中で、「本当はあれをしたいんだけど、できていないなぁ」とか「これってそんなに好きなことじゃないんだけど、なんとなく惰性で続けちゃってるなぁ」みたいな事があったりする。

そういう人生の中で優先順位が低いことを、この人はやっていないのだ。実際にそういう風に生きているかこの目で見たわけではないが、少なくとも言葉で「一生をかけてやること以外は全部捨てた」と言えるくらい、腹は括れているわけだ。そこが凄い。自分がそうありたくても、なかなかそうあれない理想の状態を、この人は体現できている。

僕にとって、憧れる生き方に繋がる「何か」がこの一言には詰まっていた。それはきっと、「自分なりの価値軸を持って、それを生き様として体現する」ということなのだと思う。

少し前のMBTIの記事で、

最後のほうに、「INFPとINTPの中間タイプの人は、生き方についてのコンテンツ全般が好きなのではないかと思っています」と書いたが、それはまさに自分自身のことでもあったのだ。

僕はやはり、人の生き様の部分に最も心を動かされる感性の持ち主なのだろう。

そしてここまで書いて気付いたのは、人間にとっての生きるモチベーションとは、何かに憧れ、自分もそれに少しでも近づきたいと思う心のことなのだということ。例えば僕の場合であれば、人の生き様に心を動かされ、それに習って生きていこうと決意し、少しずつその理想に近づいていくなかで感じるポジティブな気持ちが、自分の心に小さな火を灯すような生きがいになっているということ。他の人がどうかは分からない。しかし少なくとも、現時点の僕はそれが人生におけるモチベーションの源泉だと思っているし、そもそも人間にはみんなそういう一面があるのではないかと感じている。


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