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旅の話.21 パース①

アデレードからパースまで、バスで35時間の旅

朝8時30分に出発したバスは、ひたすら西へ向かって走る。
お昼休憩でホットドッグをかじり、夕飯休憩では源三さんが買い込んできたパンとチーズとバナナを分けてもらった。それ以外ずっと、バスの座席に座っていた。寝て、起きて、本を読んで、景色を見て、また寝て。

夜中の0時頃、南オーストラリア州から西オーストラリア州へ入ろうという所でバスは停まった。検疫の荷物検査があった。植物の種やハチミツなどが持ち込み禁止なのだそうだ。

翌朝、休憩で立寄った店は、古いアメリカ映画に出てくる田舎のダイナーみたいで、雰囲気がすごく好きだった。ハラペコだったので、シリアルにベーコン、スクランブルエッグ、トマトにオレンジジュースを注文したら、すごい量が出てきてあせった。源三さんにお裾分けした。

そして、夕方やっと、やっとパースに着いた
長かった。

バスが停まって最初に目にしたものは、意外な事に、大量の日本人だった。いくつかあるバックパッカーズのピッカーだった。いっせいに勝手に、自分の所の紹介を始めた。大学のサークルの新入生勧誘みたいだ。うるさい。

全員からカードをもらい、源三さんに見ないで引いてもらった。

その宿は、ノースブリッジにあった。
近くにスーパーは無いが、小さなアジア系の食品店があった。
源三さんが、そうめんとめんつゆを発見し、「夕飯これにしない?」と提案してくれた。異議なし。早速、宿のキッチンで調理。作りすぎてしまい、他の日本人宿泊客に「よかったらどうぞ」と振舞っていた。いい人なのだ。

予想外の悪口を言ってくる人もいた。
実は、めんつゆは意外と高かった。ラウンドをしていると、いかにお金を使わないか勝負?みたいな生活をしている人と出会う。一番安いバックパッカーズに泊まり、食費をギリギリまで切り詰める。観光も最小限。何が面白いんだろう?多分そのタイプだと思う人が、「めんつゆなんて、しょうゆとみりんと出汁で作れるだろーが!」と言ってきた。僕も源三さんも「?」だった。

翌日、YHAに移った。



#オーストラリア

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