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旅の話.52 エイラット

エジプトからイスラエルへ

ヌエィバのキャンプ宿ベトラでは、結局4泊した。
エジプトではいろいろあったが、最後にここで過ごせて良かった。

ここにはイスラエルからの観光客も多く泊まっていたので、仲良くなった2人が帰国する時に、僕も一緒に行く事にした。
ベトラのスタッフに見送られ、3人でタクシーに乗り国境の町タバに着いた。一緒にエジプトを出国して、イスラエルへ入国するところで別れた。
彼らはすぐ通過できるが、僕は時間がかかった。


無事、イスラエルに入国した。

国境近くの街、エイラットに着いた。
アカバ湾に面した西洋風リゾートタウンだ。
エジプトから来るとこの西洋感に少し安心する。
しかし目に入る文字は全く読めないヘブライ語なので、やはりまだまだ不思議世界の中にいる事を実感する。

市内バスに乗って、中央バスターミナルへ。
インフォメーションセンターでYH(ユースホステル)の事を聞いたら、どうやら満室だそうだ。バスターミナル周辺に安宿が多いと言うので、歩いて探した。CORINNE'S HOTELって所にチェックインした。
1部屋に10個のベッドがあるドミトリーで、1泊35NIS(ニューイスラエルシェケル)だ。男女ミックスしかなく、シャワーとトイレは部屋に1つしかない。

荷物を置いて、外を歩いた。
エジプトには無かった、スーパーマーケットがあったので入った。
商品が多く、ちゃんと値札が付いていて、好きなものを表示価格で買える安心感と気軽さが、すごくありがたかった。
当たり前だと思っていた事が、すごく価値のある事だった。

部屋に戻り、シャワーを浴びようと思ったら、誰かが使用中だった。
さらに順番を待っている人が何人かいた。
ベッドに寝転がって待っていたら、そのうち眠ってしまった。

安息日

ユダヤ教徒の多いイスラエルでは、金曜日の日没から土曜日の日没までの間、安息日(ヘブライ語でシャバット)という、何も仕事をしてはいけない一日がある。旧約聖書によると「神は6日で世界を創り、7日目は休んだ」そうで、その7日目に当たるのが金曜日の日没後みたいだ。
交通機関もレストランもスーパーマーケットも基本的に休みらしい。
宿のオーナーは「今日も泊まるなら2泊しろ」と言った。

夕方、街を歩き回った。本当に閉まっている。

ユダヤ教徒の中でも、信仰心の熱い人もいれば、カジュアルな人もいる。
「仕事をしない」には、火や電気、ガスを使わないって意味も含まれているらしく、熱心な人は金曜の夕方までに大量の食事の用意をしておいて、安息日には家族や友人と集まって、食べたり話したりしてゆっくり過ごすそうだ。カジュアル派のために、カフェやバーは開いているので、若者はそこで過ごす人も多いらしい。
機械を操作する事も、機械に「仕事をさせる」事になるらしく、エレベーターもこの時は自動運転で、各階に勝手に停まるみたいだ。

安息日が明けると、静かだった街は、お祭りみたいに賑わっていた。
山の上のショッピングセンターへ行ってみた。この街にこんなに人がいたのかって位、混雑していた。アウトドアショップに格好いいサンダルがあったので、迷ったけど買ってしまった。169NIS(5000円程)だった。
23年経った今でも、夏に履いている。

つづく





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