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ベビーリーフとの一夜の思い出

駅の近くのスーパーで買い物してリュックに入れて1番上に「ベビーリーフ」を置いて家に帰る。
家に着いてリュックから買い物したモノを出しながら、あれ?「ベビーリーフ」がないと気づき急いで部屋の外を見る、ない。部屋を出て階段上から下を見るけどやはりない。
駆け足で階段を降り帰ってきた道を見るけどない、そして何故か反対側も見る。

その時ふと、あれ?なんかこれ同棲していた彼女が置き手紙だけ残して手紙には「今までありがとう。さようなら」って書いてあって急いで家を出て辺りを見回すっていうドラマや映画のラブストーリーでありそうなシーンだなぁ、と思ったらなんか笑けてきたわけで。
それを「ベビーリーフ」でやってる自分に。

でも踏まれたり盗まれたりしていたらなんかなぁと思い走って帰ってきた道をもどる。

その道中もキョロキョロ辺りを見回したり途中すれ違った人に『ベビーリーフ見てませんか!?』て聞いたら面白いなぁ、とか考えながら走る。

そしていよいよスーパーまで戻り店員さんに『ベビーリーフ落ちてませんでしたか!?』て聞いたら『はい?ベビーリーフ?いや、届いてませんしその報告はないですね』と。

私は肩を落としスーパーをあとに。スーパーを出て家に帰ろうとしたその時…

私の「ベビーリーフ」がそこにいた。

いつもと変わらない「ベビーリーフ」がそこに。

誰かがはじに寄せてくれたのか道路の反対側にいた。

なんかこれも終電か終バスが発車したとこに走って行ってもうこれで終わったんだとみせかけて振り返ると彼女が立っていて彼女は涙目で何かを話そうとするけど男がハグして「もうどこにも行くな!」みたいな事言って彼女は泣くっていうシーンみたいだなぁ、なんて考えながら私は「ベビーリーフ」を優しく抱え歩いて帰った。

「ベビーリーフ」とサーモンのカルパッチョを肴に晩酌しながら「ベビーリーフ」との一夜の思い出をしたためるもう5月も終わる華金の夜でした。

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