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コロナとブンデスリーガ・プレミアリーグ

Jリーグの再開の方針

Jリーグの再開の方針が出ましたね。最短で6月、遅くとも8月から試合を開始し、リーグ戦の消化を100%にする方法を考えると。

リーグの方針がある程度決まったら、次は各クラブが活動をどのように再開をするか、ということになると思います。ブンデスリーガ、プレミアリーグの状況を調べてみました。

ドイツ・ブンデスリーガの状況

他国の現状を探ろうとドイツのブンデスリーガの動向について調べてみると、1部2部36クラブがビデオ会議を行い、5月中の無観客でのリーグ再開を目指していると言います。(最終的には政府や各州が決断を下すというが)あちらでは無観客試合のことをガイスターシュピール(=幽霊試合)と呼んでいるらしいです。

リーグのトップ(DFLのCEO)は5月9日からの再開に準備できるとまでコメントしています。5月3日まで外出自粛の外出制限の措置が取られているのに。

どちらにせよ4月30日にドイツ首相と各州の首相の話し合いがあり、再開に向けての決断が下されそうです。

感染者も15万人、死亡者も5800人を超えている。日本では少し考えられないなと感じました。

感染者の100万人あたりの推移をみても、まだまだ収まったとは言えない状況です。紫がドイツで緑が日本、水色が世界の数字です。

どんな状況なのかと原口元気と遠藤航に数週間前に電話してみたところ、練習を再開していて、まずは接触のない状態でのトレーニングから行なっていました。話している感じでは、そんなに不安もないようでした。

4月7日と少し古い記事ではありますが、ブンデスリーガでもクラブごとに活動再開の状況は違うようです。3月23日にはアウグスブルクとヴォルフスブルクが最も早く練習を開始しているようです。ただしヴォルフスブルクはホームスタジアムのフォルクスワーゲンアリーナ内に限るという条件付き。ドルトムントは3月30日に再開するもペアのトレーニングのみ。という感じで各クラブによって対応は異なっております。

最大で同時に7人以内でのトレーニング、1.5メートルから2メートルの距離を保ちタックルはしない。とありました。ノイアーも非常に変わった感覚だけど嬉しいと述べるように最初はこの”コロナ対策仕様トレーニング”に違和感と共にトレーニング再開の喜びを感じることになるのかもしれません。サッカー選手としてまたボールが蹴れるだけでも幸せですね。Twitterを見ると超ハイレベルなサッカーバレーをやっている様子は見ますが、本格的な練習は行ってはいないようです。

ブンデスリーガ自体に命の大切さを自覚しながらも経済を回す。という意思を感じます。このトレーニングを行うにあたって選手が安心して行える大きな要因の一つに検査があると思いました。

ブンデス1部2部の全日程終了までに2万件のPCR検査をすることに対して一部の政治家や学者から批判的な意見もあがっているようですが、①現在(4月22日)1週間に64万件の検査が行われていること。②無観客試合の重要性の観点から試合が行われる方向で進んでるようです。”ドイツのプロサッカーの顔が根本的に変わる事態を避けたい”とあるがそれはまさに日本サッカーも同じでしょう。

選手としては、家に帰って家族にうつしてしまうというリスクがあるくらいならトレーニングを休みたいですが(独身だが既婚者のていで考えると、、)しっかりと検査をして陰性、もしくは抗体検査で抗体を持っていることが確認されれば、安心して身体をぶつけられます。そういった意味では検査が重要な要素となるかもしれません。

イギリス・プレミアリーグの状況

イギリスは27日現在、感染者計15万7000人、死者2万1000人に達するなど深刻な状況が続いていますが、こちらも5月1日にプレミア20クラブでビデオカンファレンスを行い、5月18日までにトレーニングを再開し6月8日の再開を目指すようです。

プレミアリーグ再開をイギリス政府も支援していると記事にあります。しかし、まずはイギリス自体がコロナにに対する5つのテストをクリアする必要がある。とジョンソン首相はおっしゃっています。

ジョンソン首相、一時期ICUに入っていましたが、復帰されて本当によかったですよね。

ジョンソン首相が述べる5つのテストがクリアされると初めて第1フェーズから第2フェーズへ移行でき、ロックダウンが緩和されます。

以下がプレミアリーグ再開にもロックダウン緩和にも関わる5つのテストです。

1) The NHS(National Health Service) is able to cope 
(国の医療体制が整っている)
2) A sustained fall in deaths
(持続的に死亡が減少)
3) New infections dropping enough 
(十分に新しい感染者数が低下している)
4) Adequate testing and PPE(Personal protective equipment) 
(検査体制と医療用具が足りている)
5) No risk of a second peak
(二次感染ピークのリスクがない)

未だプレミアリーグのクラブはグラウンドを解放している所はあってもチームとしてのトレーニングはまだのようですね。特にプレミアリーグはロンドンにチェルシー、アーセナル、トッテナム、ウェストハム、クリスタル・パレスと5チームも本拠地を構えており、首都の感染数を考えると大変でしょうね。。

再開後の予想される課題点

またピッチでトレーニングを再開できることができるようになったとしても、そこからの課題についてケルン体育大学のスポーツ科学者であるFroböseさんが述べています。

まずは試合に向けての準備としてトレーニングが不十分になってしまうこと。本来は長いシーズンオフを終わるとシーズン開始に向けてトレーニングマッチがあり公式戦を想定した身体と心の準備ができますが、上記したようなブンデスやプレミアの試合までの計画だとたしかに準備としては不十分です。もちろんそんなことを言ってる余裕はどの国のリーグにもないのですが、Froböseさんが述べているので。

この部分に関してFIFAは公式戦の交代枠を3名から5名に変更することを検討しています。たしかに選手をローテーションして出場させることができれば、選手の怪我の予防にもなり、様々なリスクに対応できます。さすがFIFA!選手想い!

またリーグ再開後には、2ヶ月前(リーグ中断前)の負荷を再現することは難しく試合終盤の勢いがなくなるとも述べています。

Froböseさん"Vielleicht gehen wir in die Spiele der 1980er-Jahre zurück."=私たちは1980年代に戻るかもしれない。

ちょっとFroböseさん!僕たち選手はたしかに#stayhomeでかなりコンディションを落としてしまっているけど、1980年代は言い過ぎじゃないか?

そもそも1991年生まれだから1980年代なんて知らないから例えが全然ピンとこないし。。でもたしかに選手としてはこんなに長い期間休んだことはないし、不安があるというのも事実ですが。

ブンデスリーガやプレミアリーグが先にトレーニングや試合を再開しています。Jリーグにとって海外リーグの動向は、今後の未曾有の状況への対応に参考になることが多くあるのかもしれません。

ヨーロッパのスケジュールは優勝決定の大詰めのタイミングなので、チーム勢いや流れが止まってしまいます。特にプレミアリーグはリバプールの優勝がかかっています。Jリーグの場合はまだ1節を消化した段階なので、どのクラブも徐々にコンディションを上げていくことにはなるでしょう。

そろそろボール蹴れる日も近いかな。



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