見届けることに決めた

記事の初公開日:2012年 10月 20日

9月の台風の潮風で枯れてしまったはずのゴーヤカーテン。
それでも、始末するのがなんとなく忍びなくて、水だけやりながらほおっておいたら、新しい茎が出てきたり、小さな花が咲いたり、そしてまた実をつけたりしている。
ガーデニングに詳しい人たちに言わせたら、時期が過ぎているのでそのまま育てても土が弱るだけらしい。見た目も美しくないから抜いてしまったがいいらしい。
でもねぇ、まだ成長しようとしていると思うと、抜いてしまう勇気がでない。
所詮しろうとの庭、いやベランダ園芸だ。
もういっそ最後まで見届けてあげよう。
少しばかりベランダの景観が悪いのは、周囲の人に我慢してもらおう。
いつもきれいな花壇は素晴らしいけれど、植物の最後の姿が美しくないはずはないだろう。
きちんと、最後まで見届けよう。

サッカー日本代表GK川島永嗣選手の合成写真を見せながら「福島の影響があるのだろう」というような表現をしたフランス2テレビのパーソナリティーの表現が大きな波紋を引き起こしている。
マスコミもメディアもその事態のいきさつや進展を取り上げている。
そんな中で、昨日、川島選手がベルギーで記者会見したという。
日刊スポーツに掲載されたその会見内容は本当に素晴らしいものだった。
しかし、彼の会見内容を取り上げているのはスポーツ新聞だけのようだ。
フランスのパーソナリティのエキセントリックな反論や日本のコメンテーターの感想を放送したり掲載するくらいなら、川島選手の記者会見内容を一語もらさず放映するほうがずっと意味があると思う。

当事者でありながらも冷静に、そして本質にふれた会見内容に、日本人サッカー選手の人間性の素晴らしさとインテリジェンスを感じた。その場にいた記者たちもそう感じたはずだ。

いろいろ書くより、川島選手の会見記事を読んでいただきたい。
100人の政治家や知識人や有名人たちの言葉より、ずっと心にしみるし、本質をついていると思う。
http://www.nikkansports.com/soccer/world/news/p-sc-tp3-20121019-1034494.html


是非残しておきたい記事なので、こちらに引用させてもらう(ただし、本来の記事のサイトにいってもらいたいので、わざと反転しないと読めないようにしています)

 

【リエージュ(ベルギー)18日=益子浩一】日本代表のGK川島永嗣(29=スタンダール)が当地で、東日本大震災の被災地に向けた会見を開いた。フランス国営テレビが、川島の腕が4本ある合成写真を映し「福島(第1原発事故)の影響」と発言したことに対して「冗談にもならない」と反発。さらに「福島には、いまだに家に帰れない人もいるんです。世界中の人々が日本を救って欲しい」と訴えかけた。
 初冬を迎え周囲の木々が紅葉した練習場から会見室に入ってくると、川島はしっかりした口調で語った。日本代表として出場した12日フランス戦後、フランス国営テレビが、自身の腕が4本ある合成写真を放送。司会者が「福島(第1原発事故)の影響ではないか」と発言したことは現地でも大きな波紋を呼んでいる。
 川島 私たち日本人にとって、それは冗談では済まされないことです。非常に悪いジョークだ。福島には今でも家に帰れない人がいる。家を失ってしまった人もいる。私だけでなく、日本にとって、重要な問題なのです。世界中の人々に、日本を救って欲しい。
 被災地の光景が浮かんだのだろう。英語で話すと感極まった表情になり、目頭を熱くした。昨年夏に仙台、冬には原発から近い福島県相馬市、今夏にも岩手を訪問。帰国すれば、必ず被災地へ足を運ぶ。
 川島 原発の被害は、目に見えるものではない。常におびえている人がいる。子供たちは外で遊ぶこともできず、心おきなく(サッカーの)練習もできない。当たり前のことが、当たり前にできない。復興だけでなく、心の傷は簡単には癒えないのです。
 この日の会見は、自ら希望して開いた。自分の口で言いたかったのだという。
 川島 今回の出来事は、日本人がどうあるべきかを示す機会にもなる。僕がどう考えているか、しっかり主張をする。今まではなかったことかも知れませんが、これからの日本人はどうあるべきか。それを伝える責任がある。サッカー以外でも、行動を起こしたい。
 最後に、被災地への思いも残した。
川島 常に一緒だということを忘れないでほしい。日本人のメンタリティーは世界に誇れるものですから。
遠いベルギーから発信した言葉の数々。それは、心から伝えたい思いだった。
 [2012年10月19日8時46分 日刊スポーツ紙面から]

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