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サッカーのある日常が始まった(長崎VS金沢)

2月27日、「Vファーレン長崎VSツエーゲン金沢」の一戦でサッカーのある日常がはじまった。
昨シーズンからちょっと客観的な視点でVファーレン長崎を見ているが、今シーズンもその立ち位置は変わらず。新しいユニやタオルマフラーを買うこともなく、席も一番安いシーズンシートで観戦している。時間があるからちょっと好きなサッカーを見に行ってみよう的なスタンス。
開幕のお祭りのようなスタジアムの雰囲気の中に一人でいる感じもなかなかいいものだ。それでも知り合いは多いので挨拶したり声を掛け合ったり、そんな中でもVファーレン長崎創設時からのサポーターであるK先生やMさんご夫婦、いつもゴール裏でホワイトボードメッセージを出すUさん(今回は10番ユニでナポレオンズみたいなお鍋をかぶっていた)たちと声を交わしたのがものすごくしっくりきた。熱狂的にはしゃぎすぎることなくサポーター歴やチーム愛を競って主張することなく、それでもこのスタジアムにきている誰よりも長いファンとしての歴史を持つ人たち。この人たちには及ばないが、私のVファーレン観戦歴もすでに10年を越えてしまっている。それなりに長い付き合いだ。

バクスタ3階のアウエー寄りの席。昨シーズンからここで見ているがピッチが一目で見渡せてサッカーを見る場所としてすごく気に入っている。アウエーチームの練習が近くで見られるのもいい。
金沢の練習ではシュート練習が印象に残った。みんな低い弾道でスピードのあるボールを確実にゴールに入れてくる。昨シーズン途中から長崎にいた庄司選手スタメン。見知った顔があると思ったら大宮にいた島田選手と横浜FCで見ていた瀬沼選手。ああいい選手たちがそれぞれのチームを離れたんだなあと感慨深い。金沢にフィットして活躍してほしい。

長崎の練習風景に三好GKコーチの姿がないのは寂しい。意図したところにスパスパとGKが取りにくいボールを蹴り込むキックが見られない寂しさ。ところでどの人が今シーズンからのGKコーチなんだ?

試合がはじまってすぐに感じたのは、昨シーズンみたいに低い位置でボール回ししてから縦パスとか、ボール回しに酔っているようなプレーがなくなり、前への意識が強いなという感じ。近くで見る名倉選手、毎熊選手のプレーには闘志がみなぎっている。カイオ選手、秋野選手も相変わらず献身的。献身的といえば冨樫選手。ワントップが休みなくボールの出所にプレスをかけてくれる。そんな中でルアン選手が生き生きと動き随所でわくわくするプレーを見せ、それがチームの勢いにつながっている。
なんだかすごくシンプルにやりたいことがわかる。早い時間で2得点。それもセットプレーと、意図的に相手を崩しての気持ちのいいゴール。
長崎、本当に強いの?なんだか納得いかない感じがあるんだけど…とイマイチ信じられなかったけど、やっぱりそんなに甘くなかった。
金沢さん、前半の中頃から目が覚めた模様。終始気になる瀬沼選手と8番、9番の選手。後半完全に覚醒した金沢に押されっぱなし、さらにゴールも破られてしまった。目の前でゴールした7番は島田選手だった。
冨樫選手に代わって都倉選手が入る。ゴール前の脅威は増えたが、ファーストディフェンスが甘くなる。それでも終始動いて危機を摘み取り前への推進力となっているのが澤田選手だ。本当に長崎はこの選手にはどれだけ救われているか。無くてはならない選手とは澤田選手みたいな人なんだなあ。
終盤、加藤選手を入れ、フレイレ選手を入れて、チームプレーで1点差を守り切った。
よかった。開幕ホームでの勝利は何にも増してうれしい。

たった1試合で判断できることは少ないが、また見たいなあというチームになってる気がした。
それと吉田監督さん、あまりアピールする人でないみたいで、凡庸な監督かなあと思っていたが、そうじゃないのでは。今シーズンは戦術論の本を出している監督や、シーズン始まる前からSNSで戦術を語る監督さんなど、ロジカルな戦術家をアピールする監督さんが注目されたりしている中でメディアの注目度も薄い監督になってしまっている吉田監督。でも、あのルアンの活き活きした姿、選手たちの素晴らしい動きを見ていると、この監督は選手の個性を活かせる監督なのかもと思った。
長崎は、元代表の玉田選手や経験や才能をもつ大竹選手、エジカルやルアン、フレイレ、カイオたちブラジル組、亀田選手、澤田選手、秋野選手、都倉選手たち百戦錬磨の大人な選手とかなりの強い個性が集まっている。攻守に切り替えの早いサッカーというコンセプトを元にこれらの個性と若手の可能性を可能な限り生かして融合させることを考えている監督さんなのかもしれない。
なんとなく吉田監督、その懐がどれだけ深いのか期待してみていたいと思った。

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