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名門スポーツカーメーカーのロータスが生んだ最強SUV「エレトレ」とは


全長5103×全幅2135×全高1630(mm) ホイールベース3019㎜ (写真:http://www.lotus-cars.jp/)

ロータスが生んだレーシングスピリットの宿る世界最強のSUV

2022年には新型スポーツカーの「エミーラ」に続き、ロータス初の電動SUV「エレトレ(Eletre)」の導入が発表されました。このエレトレは、今までライトウェイトスポーツカーが主力だったロータスのイメージからすると明らかに異端者。現代に2ドアクーペなんて乗る人がいないため、最近のSUV人気にあやかろうとして導入された安易なモデルだと思われますが、エレトレの性能を見てみればこれがなかなかの実力者だとわかるはず。

グレードは3つに分けられており、「エレトレ」、「エレトレS」、「エレトレR」の3つがラインナップされており、「エレトレ」と「エレトレS」は603ps/最大トルク710Nmのシングルモーターを搭載し、0-100㎞/h加速は4.5秒です。最上級グレードの「エレトレR」は905ps/最大トルク985Nmをうみだすデュアルモーターを搭載し、0-100㎞/h加速は2.95秒。最高速度は260㎞/hというSUVらしからぬレーシングカークラスの性能を発揮します。

エレトレは、テスラモデルX並みの動力性能を誇りながらロータスお得意芸のハンドリング技術や、最適なエアロダイナミクスをこの車に詰め込んでいるのです。さらには、ドイツのZFが開発した新開発ソフトウェア「cubiX」を採用し、ネット環境さえあれば整備工場に持ち込むことなく常に最新の状態でシャシー機能とバッテリー機能の両方を最適に制御することが可能になります。


以前のロータスの主力商品であったロータス・エリーゼに乗っていたユーザーがエレトレを見た場合どう思うのでしょう。エリーゼは、内外装からなにしても軽量化のために徹底的に無駄を省いた”素”でした。しかし、エレトレのイメージは”贅”です。この贅は、贅肉を付けたという意味ではなく、アルミとカーボンを使った軽量化にも、走行性能にも、先進技術や内装に関してもすべてが贅沢だという表現です。

今まで実用性に欠けて走りの質だけにこだわってきた男らしさが売りのロータスに対して、このエレトレにはロータスのレーシングメソッドとSUVの実用性を組み合わされる新時代のロータスを象徴する1台だと思います。ちなみに、超高速充電にも対応し、400㎞分の充電を20分で可能。航続距離は最大600㎞に達します。SUVのSであるスポーツの部分も究極なのに、U(ユーティリティ)すらも優秀なのです。


コックピットは最近のEVなのでかなり先進的です。巨大なOLEDディスプレイがありますが、これも無線でアップデートが可能とのこと。計器類もほとんどがデジタル式になっており、ロータスのエンブレムがあるのに、ロータス感のない運転席周りです。


筆者が昔乗ったことがあるロータス・エヴォーラの後席と比べると明らかに高級感と空間が違います。ロータス初の5ドアでもあるので2+2のエヴォーラを比べるのは酷ですが、ロータスが室内空間を意識するとこのようなスポーティで洗練された後部座席が誕生するのです。ちなみに、後席も2人掛けと3人掛けが選べます。トランク容量は後席二人掛けの4人シートであれば611L、5人シートなら688Lという大容量。

”Born British,Raised Globally(イギリスで生まれ、世界で育む)”というコンセプトで誕生したエレトレはドイツ、スウェーデンのエンジニアチームが開発に参加し、中国の武漢にある最先端の工場で生産される車だそうです。「今までエンジンを供給してきたトヨタは?」と日本の仲間外れ感は少々ありますが、日本を見捨てたわけではありません。ロータスの日本語サイトにもエレトレがラインナップされているため究極のSUVが欲しい人がいるのであれば購入できます。

価格は、日本円で1430万円から1920万円の予想です。

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