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親の介護が始まった日・第一話「父が倒れた・・・」
ちょうど、6年前・・、12月の冷たい風が吹く、冬の日。
その日の仕事の終わりが見え始めた18時頃。
落ち度のないようにチェックをしていたその時に、一本の電話が職場に掛かってきました。
いつものように事務員さんが電話を受け、すぐさま私の名前が呼ばれました。
「○○さん(私の名前)、お家からお電話ですよ」(事務員さん)
「えっ?…あっ、はい。」(私)
今まで家から職場に電話が掛かってくることなんか一度もありませんでした。「なんだよ、もう、恥ずかしいなぁ…。もうすぐ帰るのに。」っと、その時はそう思ってました。そして外線を繋ぐ…
「もしもし、何? どうしたの??」っと、私がめんどくさそうに電話に出ると、母が、いつもとは違う動揺した声で…
「もしもし、あっ、はい、母さん。あのね、父さんが道で倒れて、救急車で病院に運ばれたらしいの。今その病院から連絡があってね、〇〇病院に運ばれたらしいのよ。それでね、私、その病院に行かなきゃいけないんだけど、子供どうする?。みる人がいないから、病院行けないんだけど・・」
いきなりの事で頭が真っ白…
…とりあえず帰らなきゃ!
向かいの席の上司に、父親が先程倒れて病院に運ばれた旨を話し、帰っていいか聞いてみました。
すると、上司が許可する前に、事務員さんが「すぐ帰りなさい!」っと言ってくれました。
上司は目を丸くしてうなづくだけ。突然の事で上司も驚いたんでしょうね。母にすぐに帰ることを告げて電話を切りました。
私は手短かに仕事を引き継ぎ、「すみません!じゃ帰ります。」っと言い、頭を下げて、すぐさま会社を出ました。
家路を急ぎながら、私の頭の中はパニック状態・・・
"どうしよう…
これからどうなるんだろう…
子供のお風呂と夕飯、まだだよな…
明日の会社の仕事の予定は…
あっ、嫁さんの職場に連絡しなきゃ…
あと、帰ったら母さんだけで病院行かせるべきかな…
つか、なんでオヤジ倒れてんだよ…"
そんな事を考えながら、師走の街を全力で走りました。
・・・つづく・・・
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