見出し画像

新しい名前を名乗る時

折に触れ、「ご職業は?」と聞かれるとき、「WEB制作会社に勤めております。」という風に答えてきました。まあこれはこれで嘘偽りはないものの、なんだか日本語的にしっくりこないまま現在に至っています。

「WEB制作」ってなによ?という事です。

WEBを制作するってなんだよ、っていうね、屁理屈じみたこだわりによる違和感ですね。
「ホームページ制作会社」というのが最もわかりやすいと思うのですが、なんか「ホームページって」と、思うところもある。ダサい。「WEB」って言いたい気分も理解はできる。

「WEB制作会社」とは、「制作会社」のジャンル内における「WEB」の分野を営みの狩場にしております、というセグメントの自称でもあるわけですが、実際のところ私がやっている仕事というのは、主にクライアントの商品を売れるように、主にWEBの仕組みを使って商売のお手伝いをする、ということでございます。キャリアのスタート地点は東京渋谷の「WEB制作会社」だったので、本当にWEBサイトの制作業務をやっていました。WEBデザインや構築、ディレクションでした。WEB以外のメディア(マスメディアや紙媒体やイベントなど)には一切手を出さず、まさに「WEB」だけを扱ったお仕事でした。
しかしながら、そこから転職を重ねて、現在では新潟県新潟市の「WEB制作会社」に勤めております。もう10年くらい経ちます。
ここ新潟という地方で、クライアントの商売のお手伝いをする際、場合によっては「WEB」よりも、ローカルTVCMやチラシ配りのほうが効果的なケースがあります。土日のイベントとかデパートの福引とかね。ゆるキャラ使ってイオンモール練り歩いたりね、そういうほうが直接的にエンドユーザーとの接点が作れるっていう事も多々ありますよ実際。

地方での「WEB制作会社」は、東京や大都市圏と比べると、実際のところまだまだ「WEB」だけじゃ武器がちょっと足りないような気がします。まあ、だんだんと、紙媒体が死に、TVを見る人も減り、っていう流れで、相対的に「WEB」が媒体として訴求力が上がってはきましたけどね。

私は現在、いわゆる「WEB制作会社」に勤めておりますが、WEB以外の媒体や手法も全然使うし、なんなら、なにかを「制作」をしなくても、クライアントの商売の役に立つならそれでいい、という風に考えています。

まあ、こうなりますと、じゃあ、お前は何屋なんだ、という具合に職業のラベリングがふんわりとしてきて、第三者に説明がしにくいなぁということになってきます。とは言え、何でもいいっちゃいいんですがね。

結構なスピードで、身近でも遠い世界でも、大きく価値観やインフラが変わってきている昨今です。自分の職業のラベルが無化してゆくことは当然のことだと思っています。

ひとから求められることが変わり、
自分が与える事ができることも変わってゆく。
私は何者なのか。
今、新しい名前を名乗るタイミングなのかもしれないですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?