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「高い声で歌える本」の通り練習したら高い声で歌えるようになった

大学生の頃、私はバンドサークルに入っていた。バンドのジャンルはヘヴィ・メタルだった。

ヘヴィ・メタルと言えば高いキーのボーカルと、重低音のギター・ベース・バスドラムのコントラストが特徴的なジャンルだ。

私はバンドサークル在籍時、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォードがPainkillerやRam It Downで歌うハイトーンボイスや、エアロスミスのスティーブン・タイラーがCrazyの終盤で叫ぶハイトーンボイス、更にはドリームシアターのジェームズ・ラブリエがAnother Dayの終盤で出すハイトーンボイスを、いつか自分でも出せるようになりたくて、冒頭の書籍を本屋で手に取り購入した。

なぜ高い声が出せるようになりたかったのか。

若い頃は単純だったので、ギターが上手い人=速弾きができる人、ドラムが上手い人=速く叩ける人、という目に見えやすい特徴ばかりに目が眩んでいた。

従ってボーカルにおいても、歌の上手い人=高い声が出せる人、という単純な図式が頭に浮かんだのだ(こうした安直な思い込みは、他ジャンルの人たちとのライブの度に打ち砕かれたのだが)。

話を書籍に戻す。

結論から言えば、実際にこの本の通りに訓練をすれば高い声は出せるようになる。この本を読めば、高い声は努力・低い声は才能だということが理解できる。

高い音域は努力次第で理論上どこまででも伸ばせるが、低い音域は努力では伸ばせない。

以下、私の実体験を述べたい。

「高い声で歌える本」の通りにボイストレーニングを毎日30分行い効果が感じられ始めたのは3ヶ月程度たってからである。イメージとしては、ファルセット(裏声)を出す容量で、力を入れて喉を絞らずとも、楽に高い声が出るようになったのだ。

練習前までは私が出せる最高のキーは#ラであった。その後、練習を積んでドまで出せるようになり(X JapanのRusty NailとTearsのコーラス冒頭の音程)、さらにトレーニングを積み重ねた結果、さらに高いミ、最後はラの音(Judas PriestのRam It Downの最後のシャウトの音程)までは出せるようになった。

その過程では、自己練習に加えてこの本の著者、高田三郎さんのレッスンを毎月1回受けていたこともあって、音域を広げることができた。

高田三郎さんのレッスンでは、この本に書かれていないその他の練習法も受けることができたため、とても有意義だった。

ボイストレーニングを始めて半年ほど経ち、この調子で行けば最後はミニー・リパートンのLovin Youやマライア・キャリーのEmotionsくらいまで出せるのではないか、と思ったが、さすがにそこまでは音域は伸びず、私の場合は高いラ止まりだった。

ご注意いただきたいのは、この練習法で身に付く声はX JapanのToshIやGlobeのKeikoのように喉を締め付け苦しみながら出す高い声ではない。どちらかと言うと、自分のファルセットボイスに芯がはいったような声である。したがって拳が効いた太い高い声が身につくわけではない点、ご認識いただければと思う。

また練習を3、4年行わずに放置しているとすぐに元の音階に戻ってしまう。私はすでにバンドサークルをやめて15年ほど経っており、もはや当時の練習が嘘だったかのように、高い声は出なくなってしまった。

無理せず高い声を出せるようになりたい。そんな方は是非この本の練習法を試してみては如何だろうか。


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