米中デカップリングの実態がわかる記事を発見
https://www.saa.or.jp/dc/sale/apps/journal/JournalShowDetail.do?goDownload=&itmNo=40608
証券アナリストジャーナルの「中国経済の行方」(冒頭URLご参照)が大変勉強になったので概要を以下メモしておきたい。
<Small Yard、High Fence>
今のG7の考え方はデカップリングではなくデリスキングだ。
東西冷戦時のように全面的にサプライチェーンが別れてしまうとは考えていないが、経済の強靭性の観点からデリスキングは必要だとしている。
また、バイデン政権のサリバン安全保障担当補佐官は我々はSmall Yard,High Fenceで基盤技術を守っている、と発言した。
幅広い領域でデカップリングするのではなく、国防と関わるような最先端の技術、半導体やAIなどに関わる技術は、小さな庭と高いフェンスで守ると言う意味である。
<米中貿易額について>
米中の貿易額は減少している。
これまでは中国が貿易の輸入額1位であったが、2023年はメキシコに抜かれ2位になった。
これがデカップリングの少佐という人もいるが、実はASEANを経由した貿易がそれを代替していると考えられる。
米国のASEANからの輸入が増加しており、並行して中国のASEAN向けの輸出も増えている。
ベトナム、タイ、マレーシアで米国への輸出が増えている。特にベトナムの増加は顕著だ。理由は、トランプ前大統領時代の制裁関税だ。
<半導体規制について、中国政府の方針>
中国の方針は以下の4つである。
政府ファンドや補助金を使った国産半導体産業の育成。
西側の輸出規制に抵触しない範囲での半導体関連製品を大量に輸入。
最先端の半導体製造装置が手に入らないため、レガシー半導体や個別半導体の国産化に特化。
チップレットと言われる次世代半導体技術、積層化技術でゲームチェンジャーとなること。
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