見出し画像

なぜ自分は転職をしたのか:それは自分の意志ではなく、社会の雰囲気に呑まれていたから

もうかれこれ3年ほど前の2021年、私は長く勤務していた会社を辞めて転職した。なぜ自分は転職したのか。

「新たなことにチャレンジしてみたかった」「自分の経験を活かせると思った」というのが表層的かつもっともらしく聞こえる平凡な理由だろう。

だが、今振り返ってみれば、転職に突き動かされた理由はそうした自分の内の自由意志から湧き出たものではなく、単に当時の社会の雰囲気・空気に左右され、そしてその中で「転職をする」という役割を演じていたのに過ぎないのだと思っている。

当時、私は米国シリコンバレーでの海外駐在を終えて日本に戻ってきていた。そしてその直後、突如としてコロナ禍に巻き込まれた。

「シリコンバレーから帰ってきた社員はだいたい辞める」という、そんなこと誰も期待していないのにまことしやかに唱えられていた通説、そしてコロナが奇貨となって盛り上がった株式相場の高騰、そして急速に流行り出したFIRE、転職ブーム。。。。こうした時代の空気感に流され(よく言えば背中を押され)、私は転職した。

転職理由など表層上はなんとでも取り繕うことができる。履歴書の志望動機の欄の模範的な記載内容然り、あたかも自分の意思で行ったかのように振る舞いがちだが、今振り返れば転職する理由なんて実は社会の空気に大きく影響を受けているだけである、と思う。

もし自分が冒頭のXの引用のように昭和時代のバブル絶頂期に生まれていれば、まさか転職など考えなかっただろう。

それはそれで当時の社会にとって期待されているであろう役割や空気を無意識に読み取り、流され、そして行動していたはずである。

「なぜ私は転職をするのか」について深く内省的なNoteをつづる方がいる。その方々を決して否定するわけではないが、たぶんその方々が書いている転職理由の大半は、今の自分自身だからこそ整理ができている思考パターンにもとづき、あくまで現在の自分自身の考えを起点に転職理由を書いているのであって、本当に当時、そういう風に思っていたのかどうか、は少し懐疑的である。

如何に自分自身の意思を自覚し、行動するのか難しいことか。

私はその場の空気感で転職したと振り返っているが、是非、転職を志す人は「自分の周りの空気に流されて転職したいだけなのか?本当に転職したいのか?」という問いは意識して考えるべきだと思う。

この記事が参加している募集

#転職体験記

6,722件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?