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つくった人を感じられるって大切。

私たちの暮らしは、多くの道具で成り立っています。そして、その道具を愛しながら使い続けようとすると、やはり「誰がどんな思いで作ったものか」ということを知っていることが、とても大切になります。長く使っていて壊れたりしても「直して使いたい」と思えたり「捨てられない」とか思い止まるには、作った人の思いが私たちの心にいないと、この誘惑の多い現代生活を続けるのは、大変です。それは何も伝統工芸などの手の込んだ歴史ある手仕事に限った話ではなく、大量生産される家電などにも当てはまると僕は思っています。

そんな一つに「Dyson」の掃除機はあると思います。品質や価格、アフターメンテナンスの話は少し置いておき、僕もかなり長く使っているこの掃除機は、モデルチェンジもやや早いし、たまに「おやっ」と思うこともあります。しかし、イギリスのプロダクトデザイナーであり、創業者のジェームス・ダイソンの製品に対する情熱や常に改良し続ける技術者としての彼の気配を感じると、まるで知人のようにその試行錯誤に付き合っているかのような感覚になり、多少のことは「彼のチャレンジ精神」からくるものと、大目に見て応援さえしたくなります。

日本にも昔は本田宗一郎の「HONDA」や、盛田昭夫の「Sony」がそんなメーカーとして多くの人に愛され、見守られ、応援されていたと思います。残念ながら時代は変わり、そうした創業者はこの世にはいなくなりましたが、そうした創業者の汗と涙を同時代に感じながら、彼らの「チャレンジ」と付き合うように暮らす。同時代に生きていることを楽しみ、彼らに注目してそんな道具と生活を盛り上げていく。こういう暮らしも、ロングライフデザイン的と言えると思います。

デザインだから形の話ではなく、考え方や意志、気配なんかも立派なデザイン。もしDysonのその様子が、よく作られたブランディングだとしても、すべての「もの」が、こうあって欲しいと思います。

つくった人を感じられるって、大切です。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。

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