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辞めないという”つづける”

京都でラジオ番組をレギュラーで持たせて頂いています。このラジオは過去、何度か途絶えそうになりました。資金的な時もありました。多くの皆さんからのクラウドファンディングで放送資金を集めたこともあります。そもそものきっかけだった京都の大学への勤務が決まり、ならば半ばついでに・・・・と、始まったラジオも、最初は15分くらいのコーナーでしたが、やがて1時間番組に。それも日曜の夕方という素晴らしい時間帯に。

途中、住んでいる東京からスタジオのある京都烏丸まで「通えない」という理由で辞めようと考えたことがありました。その時、妻が

「ラジオ番組って長く続くと格好いいよね」

と一言。確かに雑誌の連載も、テレビ番組も「つづく」ことで出来上がる価値ってあります。それはどれくらい「続く」といいのかは、わかりませんが、なんだかスペシャルな状況になることは、自分の店「D&DEPARTMENT」のロングライフデザイン商品たちを見ていて思います。他の雑貨とは一線違います。

僕は自分の会社を辞めていく社員が現れると「これからが、面白くなっていくのに・・・」とよく思います。半分は寂しく悔しい気持ちからの感情からなのですが、人の出入りは、確実に変化をもたらします。そして、もう一つ思うことがあります。

会社は、どこにいってもだいたい同じです。

輝かしく見える会社も、今、不満に思って勤めようとしている会社も、有名も無名も変わらない。一生、一つの会社にいた方が、逆に根太い迷いのない人生を送れるかもしれない。生きていると「無数の可能性(無数の欲)」にふらつくことはあります。今が嫌で2年勤めた会社を辞め、憧れの会社に入社して、また、何かが嫌になって2年勤めてまた次へ。そのうち「結婚」したり「不幸」が起こったり・・・・。

よくよく考えたら人生なんてそんなにたくさんの要素はない。「自分」「家族」「友人」「仕事」「趣味」「衣食住」これくらいじゃないでしょうか。

会社を辞める人は「自分に向かない」「もっと自分を生かした職場へ」と思うでしょう。けれど、会社なんてどこも一緒です。

要するに「自分は会社を変えられる」と思っていない。会社はたった一人の社員で変わっていきます。だから、どこへ行っても、その意識を持ってじっくりと腰を据えた方が、長い人生においてはいいように56年しか生きていませんが、思います。

と、いうことで、ラジオ、続けます。担当のガッツとアリコと作ってきたものを、スポンサーのサナダ精工さんやみんなの応援のもと、まだ見ぬ価値に作り上げてみたいと思います。

辞めるのは次のステップでもありますが、辞めないのも、次のステップなのかもしれないと、気づきました。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。

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