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第13回 遺言とは(効果・こんな人にはお勧め)| 学校では教えてくれない相続の話

行政書士の長岡です。相続の話、13回目となる今回からは、遺言について解説していきます。

遺言とは(その1)

これまでの連載で相続の手続きについても解説してきましたが、いずれも「遺言がなかった場合」が前提となっていました。遺言がなければ亡くなった人の意思を確認することができませんので、生きている相続人が話し合うことによって、遺産の分け方を決めていくわけです。これが遺産分割協議ですね。

これに対して、遺言には亡くなった人の意思が示されているはずですから、まずはそちらを優先的に考えていくことになります。ですから、しっかりとした遺言が残されていれば、遺産分割協議を行う必要がなくなるんですね。

遺言のメリット

もちろん、遺言を残す人から見れば、「自分が築いてきた財産を誰がどれくらい受け取るのかを、生きているうちに決めておくことができる」というメリットがあります。でも、遺言によって得られる恩恵は、どちらかというと残された相続人のほうが大きいのではないでしょうか。

第11回と第12回では、「遺産分割協議に苦労する場面」という話をしました。また、第7回と第8回では、亡くなった人の戸籍を集めるときの大変さについても説明しています。

とくに問題がない場合であっても、相続の手続きは手間がかかるものなんですね。でも、生前に遺言を作っておくことによって、これまで話してきたような相続人の負担がかなり軽減される可能性があります。

そのようなわけで、残された家族になるべく負担をかけたくないのであれば、元気なうちに遺言を作っておくのがお勧めです。

こんな人にはとくにおすすめ

とくに第11回でお話ししたような、相続人の中に「未成年者」「判断能力の衰えた人」「海外在住者」がいる場合などは、遺産分割協議を行うときだけでなく、協議書を作成するときも通常より手間がかかりますので、遺言が必須だと考えています。

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