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フリーランス・一人親方とは|300文字解説でAIと勝負02

社労士の長岡です。専門用語などを300文字程度で解説してAIと対決してみるシリーズ、第2回は「フリーランス」について。


今回のお題(AIへの指示)

#フリーランスとは
フリーランスという用語について説明する

##要件
・文字数は全体で300文字程度
・社会保険労務士として説明する
・偏差値50の高校1年生に向けて
・労働者との違いについてふれる

わたくしの説明

「フリーランス」とは、雇われずに仕事をする人のことです。建設業では「一人親方」と呼ばれており、他人を雇わずに仕事をする人でもあります。つまり、労働者でも使用者でもないわけです。

事業者として仕事を受け、納期や報酬等の契約内容は、相手方との交渉によって決められます。その際、労働者ではないことから、労働時間の上限や最低賃金といった労働法による保護は受けません。

不特定多数から仕事を受けているフリーランスは文字通り「フリー」な立場といえますが、特定の取引先に依存している場合は労働者との区別が曖昧になります。フリーランスとの契約は労働法の規制を受けず、最低限の基準を無視した条件も通用してしまうため、悪用する使用者が問題視されています。
(315文字)

AI(Bard)の説明

フリーランスとは
フリーランスとは、会社や組織に所属せず、個人で仕事を受注して報酬を獲得していく働き方です。
社会保険労務士として、偏差値50の高校1年生に向けて、フリーランスについて説明すると、以下のとおりです。
フリーランスは、自分のスキルや技術を活かして、好きなことや得意なことで働くことができます。そのため、やりがいを感じやすい働き方です。
しかし、フリーランスは、労働者とは異なり、雇用契約を結んで働くわけではありません。そのため、仕事の量や時間、場所は自分で自由に決めることができますが、自分で仕事を獲得し、報酬を受け取る必要があります。
つまり、フリーランスは、自分の責任において仕事を獲得し、報酬を受け取る働き方なのです。

フリーランスと労働者の違い
フリーランスと労働者の主な違いは、以下のとおりです。(図1)

まとめ
フリーランスは、自分のスキルや技術を活かして、好きなことや得意なことで働くことができる働き方です。しかし、自分で仕事を獲得し、報酬を受け取る必要があるため、責任感や自立心が求められます。
もし、フリーランスに興味があるなら、まずは自分のスキルや技術を磨くことが大切です。また、営業やコミュニケーション能力を身につけることも重要です。
(図表内の文字も含めて635文字)

Bard(Google)
図1

わたくしの感想(Bard)

前回の反省から、「偏差値50の高校1年生に向けて」という要件を追加してみました。「義務教育を受けた人の半分以上が理解できるレベル」という感覚だったのですが、社労士のBardさんは「これから社会に出る君たちへ」みたいなモードになってしまいました。設定が難しいです。

しかし、あいかわらず「300文字程度」の幅が広いですね……。

AI(ChatGPT)の説明

フリーランスは、労働者とは異なる働き方をする人々を指します。社会保険労務士として、高校1年生向けに簡単に説明します。

労働者は企業に雇用され、給与を受け取りながら働きます。一方、フリーランスは独立して仕事をしており、自分でクライアントを見つけ、プロジェクトごとに仕事を請け負います。例えば、フリーランスのイラストレーターは、イラストの依頼を受けて制作し、クライアントに請求書を送ります。

フリーランスの特徴は、自由な働き方と収入源の多様性ですが、社会保険や給与の安定性が労働者と比べて低い場合があります。そのため、社会保険労務士のアドバイスが重要です。社会保険や税金の手続き、契約書の作成など、法的なサポートを提供し、フリーランスの権利と安全を守ります。

フリーランスとしての働き方を選ぶ際には、リスクやメリットを理解し、適切なサポートを受けることが大切です。
(377文字)

ChatGPT

わたくしの感想(ChatGPT)

最初の1文は、さすがにちょっと雑ですかね。これだと会社役員も個人事業主もフリーランスになってしまいます。

また、ところどころ日本語として不自然な部分が残っています。このあたり、有料版は改善されているのでしょうか。

あと、前回と同様、(やや強引に)社労士のアピールをしているところも気になりますね……

まとめ

わたくし含めて、純粋に「フリーランス」と「労働者」の違いだけ説明している人はいませんでした。

私は偽装一人親方の問題点について触れてみました。Bardはフリーランスのメリット/デメリットについて説明したうえで、「フリーランスを目指すなら」みたいな話までしています(文字数オーバーだけどな)。ChatGPTはフリーランスのデメリットを強調して、社労士への相談を促しているようです。

しかし、指示の出し方がまだまだ下手くそですね。これから上達していくかもしれないので、そのへんも温かく見守っていただけるとさいわいです。

アンケートのお願い

今回もTwitterでアンケートをとってみます。
前回は1票も入りませんでしたが、誰のことも恨んでいません。

おまけ(AIによる添削)

せっかくなので、私の文章をAIに添削してもらおうかと。思ったより長くなったので(とくにBard)、お時間に余裕がある人におすすめです。

指示はこんな感じで出してみました。

あなたは社会保険労務士です。
フリーランスについて説明した「本文」を読んで、次の2点を提案してください。

・事務所通信の記事として不適切な部分
・改善案

##本文
(略)

Bard

本文に不適切な部分と改善案は、以下のとおりです。
不適切な部分
・「フリーランス」の定義が、建設業の「一人親方」に限定されている。
・労働時間の上限や最低賃金といった労働法による保護を受けないというのは、一部のフリーランスに当てはまるが、すべてのフリーランスに当てはまらない。
・フリーランスとの契約は労働法の規制を受けないというのは、一部のフリーランスとの契約に当てはまるが、すべてのフリーランスとの契約に当てはまらない。

改善案
・「フリーランス」の定義を、雇われずに仕事をする人の一般的な概念として定義する。
・労働時間の上限や最低賃金といった労働法による保護を受けないというのは、労働者として認定されないフリーランスに当てはまると明記する。
・フリーランスとの契約は労働法の規制を受けないというのは、労働者として認定されないフリーランスとの契約に当てはまると明記する。

具体的には、以下のとおり変更するとよいでしょう。

「フリーランス」とは、雇われずに仕事をする人のことです。建設業では「一人親方」と呼ばれることもありますが、必ずしも建設業に限ったものではなく、他人を雇わずに仕事をする人を指します。

事業者として仕事を受け、納期や報酬等の契約内容は、相手方との交渉によって決められます。その際、労働者として認定されないことから、労働時間の上限や最低賃金といった労働法による保護は受けません。

不特定多数から仕事を受けているフリーランスは文字通り「フリー」な立場といえますが、特定の取引先に依存している場合は労働者との区別が曖昧になります。フリーランスとの契約は、労働者として認定されないフリーランスとの契約については労働法の規制を受けず、最低限の基準を無視した条件も通用してしまうため、悪用する使用者が問題視されています。

この変更により、本文は以下のようになります。

改善後

「フリーランス」とは、雇われずに仕事をする人のことです。建設業では「一人親方」と呼ばれることもありますが、必ずしも建設業に限ったものではなく、他人を雇わずに仕事をする人を指します。

事業者として仕事を受け、納期や報酬等の契約内容は、相手方との交渉によって決められます。その際、労働者として認定されないことから、労働時間の上限や最低賃金といった労働法による保護は受けません。

不特定多数から仕事を受けているフリーランスは文字通り「フリー」な立場といえますが、特定の取引先に依存している場合は労働者との区別が曖昧になります。フリーランスとの契約は、労働者として認定されないフリーランスとの契約については労働法の規制を受けず、最低限の基準を無視した条件も通用してしまうため、悪用する使用者が問題視されています。

なお、事務所通信の記事として、以下の点も考慮するとよいでしょう。

・フリーランスの現状や問題点について、より具体的な情報を盛り込む。
・フリーランスの権利や保護策について、わかりやすく解説する。
・事務所のサービスや実績を紹介する。

これらの点を踏まえて、事務所の強みや特徴をアピールできるような記事を作成するとよいでしょう。

Bard(Google)

建設業に限定しているつもりはないのですが、そう受け取れる余地があるようです。あと、「労働者として認定されないフリーランス」とありますが、「労働者として認定されるフリーランス」がいるのかどうか、わたくしよくわかりません。まあ、そもそも「フリーランス」が法律用語ではないので、ある程度のブレはあるのでしょうけれども。

「改善後」以降がくり返しなのは気になりますが、「なお」以降はなかなか参考になります(事務所通信を出すのであれば)。

ChatGPT

この記事には社会保険労務士としての視点から見て、以下の2点が不適切であると言えます。また、それに対する改善案も提案します。
1.一般的な表現の誤解を招く部分: 記事の冒頭にある「建設業では『一人親方』と呼ばれており、他人を雇わずに仕事をする人でもあります」という表現は、フリーランスの仕事の多様性を理解する上で誤解を招く可能性があります。フリーランスは建設業に限らず、様々な分野で活動しており、他人を雇うこともあるため、この表現は正確でない。
改善案: 代わりに、「フリーランスは様々な職業や分野で活動し、自身で仕事を請け負う人々のことを指します。建設業においては『一人親方』と呼ばれることもありますが、他の分野でも多く見られます。」と説明することで、より正確な情報を提供できます。
2.使用者に対するネガティブな言及: 記事の最後に使用者が悪用する可能性について触れていますが、これは全ての使用者に当てはまるわけではありません。使用者も法的な義務を遵守すべきであり、フリーランスとの契約においても公平な条件を提供する企業が多いため、このような一般化は避けるべきです。
改善案: 使用者について触れる際に、法的な規制を遵守し、フリーランスとの契約においても公平な条件を提供する企業が多いことを強調し、不正利用の可能性についてもあくまで一部の例として提示することで、よりバランスの取れた情報提供ができます。

これらの改善点を考慮して、記事を修正すれば、より正確で公平な情報提供ができるでしょう。

ChatGPT

やはり建設業限定と受け止められてしまったようです。難しいですね。2点目は、おっしゃるとおりかと。文字数の都合もありますが、最後の文に「一部の」を足したほうがよさそうです。

おまけのまとめ

そんなわけで、添削はChatGPTのほうが優秀だと感じました。

今回は以上です。
最後までご覧くださいまして、まことにありがとうございます。改善点などがありましたら、こちらにコメントいただけるとさいわいです。

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