第10回 相続人から外れるパターン(欠格・廃除)| 学校では教えてくれない相続の話
行政書士の長岡です。相続の話、10回目となる今回は、法定相続人が相続する権利を失ってしまう、「欠格」と「廃除」について解説してみます。
相続人から外れるパターン(その2)
前回の「放棄」は、法定相続人が自分の意思で相続人から外れる仕組みでした。
それに対して「欠格」と「廃除」は、法定相続人の意思とは関係なく、相続人から外されてしまう制度です。
欠格
まず、相続に関して不正を行った人は、相続人から外される可能性があります。「相続人の欠格事由」というもので、被相続人を死亡させて遺産を譲り受けようとした人や、自分以外の相続人を死亡させて取り分を多くしようとした人などが想定されていますが、かなり特殊な事例といえるでしょう。
また、被相続人をだまして遺言を書かせた人や、遺言書を偽造した人、そして、遺言書を破棄した人なども、それが発覚したら相続欠格となる可能性があります。
廃除
次に、被相続人に対して虐待を行った人や重大な侮辱を与えた人を、被相続人の意思によって相続人から外す仕組みがあります。これが「推定相続人の廃除」という制度なのですが、放棄と同じように家庭裁判所に請求して認められない限りは、廃除はできません。ですので、一時的に親子げんかをして「お前には財産を一切やらん」みたいな展開になっても、それだけでは効果がないのですね。
廃除が認められた後で気が変わった場合は、いつでも家庭裁判所に請求して取り消すことができます。だからといって、気軽に利用できる制度ではないのですけれども。
なぜ「遺留分」が出てくる?
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