見出し画像

第8回 相続人の特定(戸籍の収集)| 学校では教えてくれない相続の話

行政書士の長岡です。相続の話、第8回目となる今回は、相続人を特定するために戸籍謄本等を収集するときのポイントについて解説してみます。

相続人の特定(その2)

前回は、相続人を特定するために、亡くなった人の戸籍謄本等を集める必要があることをお伝えしました。今回は、具体的な収集方法を解説していきます。

住んでいた市町村で戸籍が手に入るとは限らない

まずは最新版、つまり死亡時点の戸籍謄本を取ることになります。戸籍謄本は本籍地の市役所や町役場で手に入れることができるのですが、ここでつまずきやすいのは、「住所=本籍地」とは限らない点です。

戸籍はあくまでも「家族の構成」を表すものですので、住んでいる場所は関係ありません。例えば、子供が独立して一人暮らしを始めても、結婚するまでは親の戸籍に入ったままです。引っ越しをして転居の届出をすると住民票は更新されますが、戸籍には影響がないのですね。

ちなみに、本籍地は日本国内であれば自由に選べるので、引っ越しの度に住所と同じ場所に本籍を移すこともできます。ですが、本籍はそのままにしておいてもまったく問題はない、と。ですので、住所と本籍が異なっている人も珍しくないのですね。

本籍(戸籍謄本が取れる場所)の調べ方

最近は運転免許証にも本籍地が載らなくなりましたので、「本籍地がわからない」という人もいるのではないでしょうか。

そのような場合は、住所のあった市町村の役所や役場で住民票(の写し)を請求して、本籍も記載してもらいましょう。これで本籍が確認できるはずです。

本籍地(であった場所)が遠方の場合

最後の住所と同じ市町村に本籍地があって、そこで出生までの戸籍謄本を揃えることができれば問題ないのですが、なかなかそうはいきません。たいていの場合は、転籍などの事情で他の市町村にも戸籍があるのですね。そして、かつて本籍のあった市町村が遠く離れていることも珍しくありません。

ここから先は

308字
相続や遺言に関する解説記事を20本投稿予定です。

相続・遺言の解説記事を投稿していきます。入門レベルです。16号から先は3か月に1本のペースで更新予定です(全20回の予定)。