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一人何役もこなすデザイナーを目指している理由

世間的には単独プレーは孤立や広がりの少なさが故におすすめされていない。今の時代はコラボレーションをしながら作って行くことが推奨されているような流れを感じる。私もその考えにとても共感ができる一方、デザインが行き渡らない理由がそこにあるのではと感じる時もある。

関わる人(分業)とコストの関係

デザインのコストがさまざまなところで違うのは色々な要素があるが、一つの要素に人的コストがあります。これだけの人が関わっているから高くなるというのは理解がしやすい。しかしそれが要因でデザインが必要なのにデザインができていない(コスト問題)というところにアプローチができなくなっているということもあると思います。(以前の記事にまとめてあるのでご興味ある方はご覧ください。)
例えばパンフレットを作りますとなった際に、
カメラマン、ライター、アートディレクター、デザイナー…
となった場合その各々にかかる費用があるので、
コストは必然的に高くなる。
しかし、もしそこまでの高水準なクオリティを求めないのであれば、
アートディレクター兼カメラマン兼ライター兼デザイナーができるのではないかと思います。
人的コストも一人になるので、トータルのコストも抑えられるかと思います。


クオリティポイント

現代さまざまな便利なツールができたり、カメラの性能も上がったりしているので、どこまでのクオリティを求めているかと、どこまで予算が確保できるかに私の場合は「他者に依頼」か「自分で作業する」かを使い分けています。
私はデザインにおいて「最高水準なデザインを誰もがもとめているのだろうか」と考えることがあり、依頼側にとってのクオリティポイント*1があるのではないかと思っています。例えば「予算がないけどそれなりのクオリティ」とお願いされるときこれは全部自分で作業しないと足が出るなと思うものは自分で何役もこなし作業します。これにも意図があり、いままでデザインをお願いしたことがなかった人たちがデザインの良さを知ってもらえるのであれば、それはやる価値が十分にあると自分は思っており、そうすることでデザインの裾野が広がっていくと嬉しいなと思います。
*1コストとクオリティがちょうどよいポイントのことをこう呼んでいます。

多機能ペンなのか単色ペンなのか

この話は文房具の多機能ペンに似ているなと感じます。多機能ペンは便利で使い勝手が良いです。ただ、色が限られていたり、持ちづらかったり、インクがすぐなくなったりと「書く」ことにおいてのクオリティがそこまで高くありません。それであればさまざまな書き味や色を楽しめる単色ペンや書き味の良いシャープペンを単独でもっている方が「書く」ことにおいてのクオリティが高いです。しかしコスト面や管理のしずらさなどを考慮すると多機能ペンが優秀だったりします。

Nagaoka Design Officeはいま個人の方や中小企業の方々とお仕事をさせていただき、デザインにかけられる予算もそれぞれです。ですので、自分が多機能ペンであり、必要であれば単色ペンを使うというようなスタンスでお客様にデザインを提供しています。
前の記事でも書いたとおり、デザインが必要なところにデザイナーがアプローチできていないという問題(コスト面に関して)解決の糸口として、「多機能ペンなデザイナー」なのではという仮説のもと活動しています。

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