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【阿南町】山田百次さん 阿南探訪 1日目

4月17日土曜日。天気はあいにくの雨。

NAGANO ORGANIC AIRが今年お邪魔する中では最南端になります、阿南町のプロジェクトの滞在初日を迎えました。
飯田にて、今回の滞在アーティストである劇作家•演出家•俳優の山田百次さんと合流し、阿南町の中でも南部にある“新野”というエリアへと向かいます。
隣接する愛知県と静岡県がすぐそこにある新野。南北に大きい長野県の、県境まで来たのだなという実感があります。

まずはホストである「新野だら実行委員会」の金田さんのお宅へとお邪魔し、顔合わせ、そして新野についてのお話をみっちり伺います。
まずは、新野に古くから伝わるお祭り、「新野の雪祭り」。
お祭りの実際の流れや、それぞれの意味合いについて詳しく伺いました。金田さんは毎年そこで笛を吹く大事な役目を担っているそうです。そしてコロナ禍によってやむなく中止した今年のお祭りのこと。それが新野の人達にとってどれほど悔しい出来事であったか。伝統を存続させたいと願う金田さんはじめ新野の皆さんの情熱が伝わってくるお話でした。
そして夏の風物詩、「新野の盆踊り」。
3日間21時から朝の6時まで、夜を徹して踊り続けるというこちらも興味深いお祭りです。
櫓の上から「音頭取り」と呼ばれる人々が、数百種類あるという盆唄の中からアドリブで次々と唄を出していき、皆がそれに合わせて踊ります。
金田さんもその「音頭取り」のうちのお一人。村の人々に認められないとなれないというその役への愛情と誇りが感じられました。

お話を伺った後は、金田さんにアテンドしていただき阿南町農村文化伝承センターを訪問。
ここには、実際に祭りで使われる様々な道具のレプリカや、実際の写真を見ることができます。先程聞いたお話が資料によって更に具体的な形となって私達に伝わってきます。

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盆踊りのコーナーでは、舞を教えていただきながら一緒に踊ってみるという嬉しいサプライズが。
楽しかったです^^

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続いては雪祭りの会場である伊豆神社へ。

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木造の美しい建物です。
「まずはここで舞を踊って」など、金田さんの詳しい解説が入り、ますます目の前に祭り当日の光景が浮かび上がってくるようです。

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雪祭りで最高の盛り上がりを見せる「幸法(さいほう)」の舞が踊られる場所です。
正面に見える3本の木の柱の真ん中に、祭り当日は大きな松明が立てられます。

その後、雪祭りのもう一つの会場である「諏訪神社」へ。
こちらも、建物は古いですが清潔で厳かな印象を受ける素敵な場所でした。
ここでは祭りの前、重要な役を演じる人達が集まって食事をとる場所などを見学させていただきました。

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「雪祭り」にしても「盆踊り」にしても、細かいしきたりがあり、絶対に守らなければならない順序があり、かっちりと決められた役割があり、数日にかけて、しかも時には一晩丸々という時間をかけて行われます。
より速く、単純に、わかりやすく、という方向へ向かっていく現代の流れに逆行するようなこの伝統に、これからの時代を生きる私たちのためのメッセージが隠れているような気がしてなりません。
ここからアーティストの山田さんが何を感じ取り、形にしていくのか。
非常に楽しみです。

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最後に記念撮影。これからもよろしくお願いいたします!
(文:加藤亜弓)


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