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第18回:Hult 5th WeekーBusiness Insights Through Data|地方スタートアップ起業家の挑戦

こんばんは、マークです。今日は2月に受講したデータからビジネスインサイトを読み取るトレーニングをした「Business Insight Through Data」について綴っていこうと思います。

データから得られるビジネスインサイトって、授業はどんな内容だったのか?

構成としては、以下の4つをメイントピックとして構成されていました。
①基本統計量
②線形回帰分析
③2つの異なるグループの平均値の検定(t検定)
④数学・統計的表現を極力使わずにビジネスインサイトを表現するトレーニング

私自身が米国の大学院で応用数学修士号を持っているので、新たに得られた知識は正直あまりなかったです。しかし、クラスを担当されたDr. Amanda Nimon-Petersがケンブリッジ大学で行動心理学の博士号を取得して、その後P&Gでデータ分析に基づくビジネス・マーケティング戦略・戦術などの立案をされていたので、④の部分がとても参考になりました。

私自身も28歳でデジタルマーケティング(当時は、インターネットマーケティング)の世界に入った時に、「同じ(数学的)言語を話さない人に対してどのように分析結果などを伝えるか?」とよく悩んでいたので、④のトレーニングをもっと早く受けていたらどんなに役立ったかと感じましたね。

データから得られるビジネスインサイトの授業はどのような感じだったか?

ビジネスデータをたくさん分析して、インサイトを得る練習をするというよりは、タイタニックや他の非ビジネス関連のオープンデータを使って、基本統計量を計算したり、t検定したりという感じでした。テーマがBusiness Inght Through Dataなので、民間企業に協力を仰いでもっとビジネスデータを集めて、分析の練習をひたすらする方が学生にとっては良かったかもしれないですね。

普段、授業後にメールで教授に質問することはないのですが、以下が気になったので質問をしてみました。

1.P&Gのデータリサーチで、どのように変数選択を行いましたか?(例:例えば、アイスクリームの売上を予測するのに、気温を変数の一つにするなど) 私の専門であるデジタルマーケティングでは、たくさんの学術論文があり、その中から変数選択についてヒントを得ることができました、もしよろしければ、あなたのアプローチを教えてください。

回答:確かに、これは難しい質問です。まず第一に、私は、1)この変数がビジネスの意思決定にどのような価値をもたらすか、2)この変数の正確な測定値を得るためには何が必要か、という観点から考えます。そして、労力とコストを抑えながら、高品質・高インパクトのデータを最大限に得ることを目指します。厳密なルールを示すことはできませんが、私がどのように変数選択を行う場合、いくつかの考えに基づいて行います。

良いアイデアのように見えても、実用的な結果が得られない変数には注意が必要です。以前、ブランドマネージャーが、面白いからと、あらゆる態度や行動をデータ収集の対象にしたがりましたが、そのデータが行動や意思決定にどのように使われるかという強い関連性がない場合は、押しとどめました。
定量的なデータでは、人々が何をしているかを明確に測定する必要があります。例えば、オンラインで商品を購入する際にいくら使うか、商品をカートに入れた後に購入プロセスから脱落する頻度、サイト上で何秒過ごすか、などです。理想的には、各変数について多くの測定値(多くのケース)が必要です。
人々が何をしているかについては、実際の行動や過去の行動を見ることを目的とする。目的変数から直接データを収集する場合(例えば、どこでクーポンを利用したか、いくら使ったか)、測定が正確である可能性が高くなります。行動データを収集するために人々に尋ねなければならない場合、彼らがごく最近行ったことに焦点を当てます 。ちなみに、 彼らが将来行うかもしれないことについて人々に尋ねないようにしてください。人は、明日や来月どうするかといった将来の行動予測をするとき、予測が非常に不正確だからです。
「人がなぜそうするのか」というデータは、なかなか得られません。これは、「なぜ」のデータ収集のための一般的なアプローチが、「なぜ何かをしたのか」を尋ねることであるためですが、人間はなぜ何かをしたのかを意識的に理解することは、あまり得意ではありません。例えば、ある都市でレストランを予約して行った人を大規模に分析したときのことを思い出します。あるレストランに行った理由を尋ねると、複雑で主観的な説明が多かったのですが、データ分析では、新しい食事体験を宣伝しているレストランでは、テーブル予約が大幅に増えていることが分かりました。カルルッチョ(ドバイのレストラン)の研究では、「なぜカルルッチョに行かないのか」ではなく、「チリーズといえば何を思い浮かべるか」と尋ねたことを思い出してください。なぜ、あるレストランを選ぶのか、その理由を予測するのは、頭に浮かんだイメージやアイデアなのです。

2.データアナリストとそれ以外の社員との間にギャップがある社風に、どのように挑戦したのか/挑戦するべきですか?データ分析以外に両者の橋渡しをする役割が加わったデータアナリスト時代の仕事では、これが一番難しく、もどかしかったです。

回答:それこそが、私がデータ分析とリーダーシップ/インフルエンスの両方を教えるのが好きな理由です。今回の授業では、意思決定における客観的なデータの必要性について理解を深めてもらいました。次回の4月の授業では、人間の意思決定のほとんどは論理的ではなく感情的であるという事実を掘り下げます。

3.組織のデータ分析レベルに関する記事はありませんか?授業でも触れましたが、私の推測では、(大企業を除く)ほとんどの企業では、組織内のデータ解析のレベルは高くなく、統計的な推論はほとんど利用していないと思います。しかし、実際のところどうなのか気になってます。

回答:これは素晴らしい質問で、正直なところ、私もそのような研究を行うことを考えたことがあります。5段階の意思決定モデルを思い出していただきたいのですが、私が調査(一般的には、最後に行った大きな意思決定の方法を説明してもらう)を行ったときは、いつもこの5段階のモデルに当てはまるデータが得られています。要するに、ビジネス上の意思決定のほとんどは、自分自身の経験や仮定に基づいて行われ、一部は他人の経験に基づいて行われ、何らかの客観的なデータに基づいて行われることはほとんどないのです。

データや分析に多大な投資をしている会社でも、マネージャーレベルが自分の直感と合わない場合、高額な調査結果でも無視することがありました。さらに、データサプライヤーは、統計的有意性を示すことなく、データの内訳を示すこともあります。その結果、あるブランドマネージャーは、自分の新しいキャンペーンのおかげでブランドボリュームが増えたと主張しますが、ある期間のブランドボリュームがXから次の期間には1.2倍になったのは事実ですが、それが本当に有意な増加なのか、ランダムな変動なのかを誰も考慮しない状況が発生することになるのです。

上記のようなビジネスデータ分析の授業をこれまで受けたことがなかったので、ビジネス視点でデータ分析を再考する機会が得られたのは本当によかったです。次回は、応用経済学の授業について綴っていきたいと思います。