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2020年ベスト映画

この対談では長野と中野が2020年に観た映画について熱く語り合います。
(ちなみにベスト10作品は公開年関係なく「今年観た」映画です)

2020映画ベスト10-2のコピー

今年印象に残っている作品

中野:「青い春」なんですよ。2002年の作品なんですが、今年は青い春に半年くらい持っていかれたんで。本当に完璧な映画です。
長野:ミッシェルガンエレファントがまた良い仕事してますよね。ラストシーンとか九条が感情を表に出さない分、音楽がエモーショナルっていうね。

中:2位の「白痴」はみなみ会館で観ました。これは一番良い浅野忠信です。
長:浅野忠信って本当に変な役ばっかりしてますね。
中:得体の知れなさでいうと松田龍平の上を行ってます。

長:
「青い春」観てから松田龍平の作品を色々観ましたよね。「46億年の恋」よかったですね。あのバキバキのCGの感じとか。
中:あの世界観とかはちょっと「白痴」と通じるところもありますね。
長:「白痴」2位ってことはかなりよかったんですね。
中:そうですね。美術と役者の力ですね。とにかく画面が完璧に決まってて、役者陣が凄い良いんですよ。個人的には割と絵が強かったりすると評価高くしがちすね。ヤバかったです。

長:
ヤバさで言うと「昭和歌謡大全集」はめちゃくちゃでしたよね。R18ってよっぽどの何かがあるんやろなと思ってたけど本当によっぽどでしたよね。
中:「太陽を盗んだ男」でもあそこまでじゃないですからね。いやー面白かったです。
長:いや、面白いって言っていいのかって感じですけど(笑)初夏は松田龍平作品をよく観ましたよね。
中:そうですね。松田龍平作品もそうなんですけど、個人的には邦画ブームが来てましたね。ランキングにも入れてるんですけど、黒沢清監督の「CURE」も4K修復版で見直したらやっぱりすごい良かったです。

長:「ダンケルク」は2020に入れるべきじゃないかもしれないんですけど、間違いなく今年一番の衝撃だったので入れました。「ダンケルク」は公開当時も3回観に行って、DVDも何回も観てるんですがドルビーシネマで観て惚れ直しましたね。中:ナガノさんとムービックスで観たのが2回目だったんですけど、1回目観た時よりも100倍面白かったですね。私は「テネット」より「ダンケルク」の方がおもしろかったです。「テネット」って「ダンケルク」みたいに観ててもわかるものじゃないですよね。
長:映画を観て、パンフレットとメイキング本を読み込んで解説とか読みまくってやっと理解できるくらいの、本当に信者みたいなノーランファンがついていく感じですね。だって冒頭の6分を解説してる10分の解説動画とかあったからね。
中:よっぽどノーランのファンじゃないと大変ですよ。
長:確かに、でも今年一番「訳わからん!すごい!」と思ったのは「テネット」です。
中:5位っていうのはやっぱノーラン好きだからですか?
長:そうですね。ダンケルクショックにてノーラン信者になったので。まぁ正常な判断ではないです(笑)映画館ではテネット公開記念でノーラン祭をやってましたよね。

中:「インターステラー」
よかったです。
長:「インターステラー」はノーラン作品の中でIMAXに一番向いてる作品だと思いますね。
中:でも、お兄ちゃんかわいそうすぎて。気の狂った妹に畑燃やされるの怖すぎません?妹と兄で扱い違いすぎるし。
長:お兄ちゃんのこと言ってる人珍しくない笑?この時祭りで「ダンケルク」2回、「インターステラー」、あとアマゾンプライムで「プレステージ」観ましたね。
中:ノーランの年ですね(笑)
長:ですね〜!

中:あ、「パラサイト 半地下の家族」が2人ともランキングに入ってますね。「パラサイト」はね、ソン・ガンホなんですよ。
長:あ〜私は長男推しですね。「パラサイト」のソン・ガンホはファン的にはどうでしたか?
中:いつもの感じで、良いソン・ガンホでしたね。
長:映画をそんなに観ない人も映画マニアも楽しめるっていう作品でしたね。
中:そうですね、一番いい位置にある映画ですね。実際ウケてましたしね。
長:音楽がすごい好きでしたね。サントラずっと聴いてるんですけど、一番最後のシーンで流れる音楽が良くて。普通なら暗めの音楽で終わりそうなんですが、明るい和音で終わるんですよね。そうすることによってお伽話感が出るんですよ。「パラサイト」は資本主義のお伽話だと思ってます。


今年気になった役者

長:ジョージ・マッケイ松田龍平ですね。ジョージ・マッケイは「1917」の宣伝とかでは無名の新人俳優みたいに言われてたんですけど、調べたら全然無名でもなんでもなくて、主役級の作品に何回も出てるっていうね。
中:ジョージ・マッケイでいうと「マローボーン家の掟」とかめちゃ好きです。「はじまりへの旅」も観ましたね。かわいそうな兄の役が似合いますよね。
長:そうなんですよ。長男ばっかりなんですよ。「パレードへようこそ」とかも一応長男ですし。

中:
私は長澤まさみですね。「Mother」の長澤まさみ、柄悪くて最高!前から好きだったんですけど、柄悪い役似合うのでもっと演じてほしいです。リアルな嫌さがあって、作品が好きっていうより、この長澤まさみが好き。
長:確かにそんなに長澤まさみってそんなに柄悪い役の印象ないですね。
中:「Mother」の監督が大森監督なんですが、大森監督の今年のもう1つの作品「星の子」に出てた田村飛呂人っていう新人俳優がめちゃくちゃいい子の役を演じててすごく印象に残ってますね。

長:「ある少年の告白」
ルーカス・ヘッジズがすごくよかったですね。とにかく顔が四角いのがいいです。顎が張ってる感じの人が好きなんですよ。染谷将太とかミア・ワシコウスカとか。

中:ミア・ワシコウスカ
って安藤政信と似てますよね。
長:似てますね(笑)
中:これ通じるのがめっちゃ嬉しいんですけど(笑)
長:いや似てますよ(笑)顎が張ってる感じとか、二重の幅が広い感じとか、眉毛薄い感じが似てます。あの、似てるでいうと、ティモシーシャラメ高杉真宙って似てませんか?

中:
それは結構言われてますよね。2人とも美少年。美少年で言うと、「ミッドサマー」ビョルン・アンドレセンがめちゃくちゃ美おじいちゃんでした。
長:「ミッドサマー」結局観れてないんですが、映画を普段あまり観ない層も結構みんな行ってましたよね。娯楽がなかったんかな(笑)
中:娯楽を求めて「ミッドサマー」観るってヤバイ世界ですね(笑)

今年の個人的ブーム

長:私はドルビーシネマの年でしたね。
中:お金のかかる趣味だ。
長:今年は公開作も少ないし、いくらでも出しますよって感じでした。
中:私は旧作ブームが来てましたね。特に邦画にハマって、「青い春」から世界が広がっていきましたね。
長:出てる俳優追ってみたいな感じですか?
中:俳優もありますし、監督とかでもどんどん広がっていきましたね。やっぱ95〜05年の狂ってる感じが好きですね。今ああいう感じの映画はなかなかないじゃないですか。

長:
旧作を映画館で観るのすごい良いですよね。「AKIRA」観れたのがすごいよかったです。「AKIRA」はスクリーンがデカければでかいほどいいです。
中:「AKIRA」をまだ観てなくて、それがちょっと恥ずかしいです。いや〜早く履修したいんですけど....。

長:
「AKIRA」は思ってたより話がシンプルでよかったですよ。映像は観る麻薬みたいでしたね。邦画でいうとランキングに入れてる「人間椅子 バンド生活30年」は凄くよかったです。かっこ良すぎてわろてまいましたね。
中:ずっと演奏って感じですか?
長:そうですね。ライブDVDみたいな。人間椅子って演奏があまりにも上手いので、頭振って聴くのもいいんですけどクラシックみたいに座って静かに聴くのにも向いてるんですよ。
中:人間椅子はクラシック(笑)
長:とにかく上手い。ギターを歯で弾いたりもするんですけど、ちゃんとメロディになってるんですよ!

今年泣いた作品

中:「ジョジョラビット」ですよね。
長:あ〜泣きますわ。
中:子供が主人公って泣くんですよ。
長:それは早い(笑)それは子どもできた人とかが言うことじゃないのか(笑)
中:「がんばって生きとんな」ってそれだけで泣けるんですよね。
長:最初にビートルズが流れるとこで泣けてきましたね。あれは辛かった。
中:タイカ・ワイティティが好きですね〜
長:なんかコメディー作れる人って泣かすのも上手くないですか?
中:やっぱ笑わすことができる人は泣かすこともできるってことなんですよ。

長:
面白いの撮れる人は怖いもの撮れるんですよね。自分も一番泣いたのは「ジョジョラビット」ですね。あと、「インターステラー」も泣きましたね。
中:途中から兄のことが気になりすぎて......
長:こんな兄のこと言ってる人おる(笑)?

中:
あと、「ワンダーウーマン1984」は途中までボロ泣きしてました。
長:え、そうなん?!
中:大スクリーンでヒーローが活躍してたら泣いてまいますね。
長:でかいスクリーンで大きい音でてたら泣いてまいますね。
中:それはちょっとどうなんですか(笑)人間の本能みたいな。
長:反射的な(笑)私は人が歌ってると泣きますね。

中:
今日「ララランド」の予告で泣きましたよ。
長:予告で泣くのは映画マニアあるあるかな。そういやナカノちゃんと観に行った「テネット(2回目)」は号泣しましたね。
中:私が理解できてない横で泣いてましたよね。
長:「テネット」全然泣いてる人いなかったですよね。「パラサイト」も泣きましたね。
中:「ジョン・F・ドノファンの死と生」もエンドロール前の音楽が良くて泣きました。ドラン監督は音楽の使い方がうまいです。

今年笑った作品

中:「ザ・ハント」は笑いましたね。
長:最後めっちゃ笑ってしまいました。
中:最初から笑いましたよ。
長:最初のあの串刺しになるところで、コメディーっていうのがはっきりわかりましたね。まぁでもネタバレ厳禁ですからね(笑)
中:ただ個人的には、後引く感じの作品が好きなんでランキングには入れなかったです。
長:確かにスパッと爽快に終わるから後味はあまり無いですね。いや〜でもめちゃくちゃおもしろかったです。


今年初めて体験した施設や映画館

中:ドルビーシネマは今年初めて体験しましたね。
長:あ、そうなんですね。一発目は何観たんですか?
中:ナガノさんと行った「ダンケルク」ですよ。最初の映像の「これが本当の黒」が怖すぎて。
長:そうそう。めちゃくちゃ怖いよね。あれに500円くらい払ってると言っても過言ではない。

中:アップリンク京都
も今年初めて行きましたよね。
長:そうでした。「LETO」観ましたよね。私は出町座も初めてでした。「アングスト」観ましたよね。私は7位に入れてますけど。
中:「アングスト」よかったですか?
長:「アングスト」はね、よかったというか、好きです。自分の好きな条件が揃ってる映画でした。
中:最後の車で逃げるとこが面白すぎですよね。
長:最後みんなにドヤって見せるとこも面白すぎですね。
あと、被害者の家族がみんななぜか怖いっていう。叫びもしないし慌てないし奇妙でしたね。やっぱ東欧らへんの映画は狂ってるのが多いんですよ。

今年見逃した作品

長:「異端の鳥」です。
中:私もそれです。これは観るべきでしたね。
長:でもね〜ラジオの映画評とか聴いてるだけで寝れなくなったので、観なくてもよかったかなとは思います。

中:「スウィングキッズ」
って今年でしたっけ。
長:そうですね!見逃しました〜!爆音上映とかでもやってましたね。

中:
あと、「博士と狂人」も見逃しましたね。
長:あ〜気になってました。
中:「バクラウ」観たいんですけどどうでした?
長:あ〜期待したほどではなかったんですけど、よかったですね。ブラジルの文化とか全然知らなかったのでそういう点でも面白かったです。

今後観ていきたいジャンル

長:ヒッチコック作品をいい加減観ていきたいですね。
中:戦争映画をいい加減観ていきたいですね。あと映画見るにあたって、歴史もちゃんと勉強したいです。

まとめ

中:今年はとにかく「青い春」でしたね。心を持っていかれました。
長:結局2回くらい一緒に同時上映で見ましたよね。
中:でもアマゾンプライムが終了しちゃったんで気軽に見れなくなっちゃったんですよね。みんなDVDを買ってください〜(笑)
長:今年はやっぱり、ノーラン祭りの時が一番ワクワクしましたね。「テネット」の初日の一番最初の回とかはもうノーラン狂しか集まってなくて楽しかったです。今年は結構共に映画観に行きましたよね。
中:ナガノさんがTwitterにあげてた映画館レポ、私しか出てきてなかったですね。
長:そうですね〜。基本1人で行くか、ナカノちゃんと行くしか無いので(笑)来年も共に映行きましょう。
中:行きましょう!


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