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【講座レポート(宮城公演)】人生は口で決まるかもしれない

特別講師:白石菜保子先生(南労会紀和病院)  慢性呼吸器疾患看護認定看護師、3学会合同呼吸療法士、特定行為修了者、BOCインストラクター 


清拭はされているのに口腔ケアがされていない患者さんがいる。

清拭はもちろん重要だけど、生命に直接関わるのは口腔ケアではないか?

医療・介護の現場では、口腔ケアの優先度が低く後回しにされている現状があります。

白石先生はこの状況を変えるために、2014年から病院内で口腔ケアチームを立ち上げ活動されています。 今回は、主に口腔ケアチームでの取り組み口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係性についてご講演いただきました。


口腔ケアチームの活動年表

2014 

口腔ケア用品の売店での販売。(永山USブラシ吸引クルリーナブラシなど必要な物品を院内の売店で取り扱い、気軽にご家族に購入していただける環境を整えた。)

2015 

入院時BDR指標口腔内アセスメントシートROAGを電子カルテへ導入(病棟スタッフが、入院時や日々の口腔内を評価できる仕組みを導入した。)

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2016 

急性期病棟で入院時訪問を開始し口腔ケアの評価を実施(患者さんを評価するだけでなく、口腔内の状態に応じて口腔ケア用品を選択できるフローチャート表を作成し、物品の選定で悩まない仕組みを整えた。)

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うまくいかないことばかり

白石先生は、活動を開始した2014年からの3年間で、院内の口腔ケアに対する意識を高め、現在も院内研修やラウンドを継続しています。

また、地域の口腔ケア事業にも参加し、医療介護施設を対象とした口腔ケアの指導をされています。

一見、華やかにみえる活動ですが、家族に購入してもらったケア用品が開封されずベッドサイドにおかれたままになっていたり、ケア方法が浸透せずうまくいかないこともあったと話されていました。


様々な活動を通して白石先生が感じたことは、

口腔ケアの技術や情報を伝えることも大切だが、それだけではなかなか口腔ケアが浸透しない。口腔ケアは、感染予防で命を救うことや食の支援、発声することに関わりQOLと深い繋がりあり、とても重要であることを認識し、心の琴線が震え、やらされるのではなく自分から率先して口腔ケアを行うようになることが重要だと。

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編集部まとめ

今回の講座は、実際の現場で先頭に立って活躍されている看護師さんの活動や思いなどを感じることができる講座でした。

白石先生自身の目標である「看護師として誤嚥性肺炎を予防しながら口から食べることを支援する。」ために活動を継続するという言葉に胸が熱くなりました。

口腔ケアは、看護師と看護師の間をバトンでつなぐケアであり、心を知る、心に寄り添うケアです。

たくさんの事例を通して、口腔ケアに限らず、日々の看護を振り返ることができました。


参加者の声

・とてもパワフルな講義で、同じ看護師として熱い気持ちになった。口腔ケアの質を高めていきたい。
・口腔ケアチームの活動を参考に、自分の病棟内でも取り組んでいきたい。


BOCプロバイダーの講座では、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士などの専門家がそれぞれの専門領域と口腔(ケア)とを掛け合わせた講義を行っています。Facebookグループ内で全て配信しておりますので、引き続き学びを継続していただけたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

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