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F1公式予選をどう楽しむか。

今回はF1予選の楽しみ方について書いてみます。公式予選は、ポールポジション(1番スタート)争いだけに着目すると、最初から最後まで楽しめないと思います。そこで今回はF1の予選ルールと、今シーズンのF1公式予選で私が楽しみにしているポイントを紹介してみたいと思います。

F1予選の方式とは

予選は3セッションからなるノックアウト方式で争います。全部で20台が出走するF1ですが、まず全車で挑む1回目のタイムアタックQ1(18分)で下位に沈んだ16位から20位の出走順が決まります。Q2セッション(15分間)では、Q2に進出した15台のうち下位の11位~15位の順位が決まります。最後のセッションQ3(12分間)で、1位から10位の順番も確定することになります。
それぞれのセッションで順位決め以外にも注目点があるのですが、2020年シーズンではどんなポイントに注目すると楽しめるか、この辺りも含めてまとめていきます。

大混雑のQ1セッション

Q1の難しさは、全マシンが走ることになるので、コース上が混雑していることになります。メルセデスF1やレッドブル・ホンダのようにマシンの能力があるチームは時間的・空間的に余裕のあるセッションの前半にアタックを済ませる場合があります。

ただ、Q2進出争いをしなければいけないチームは、各車が走行を行い、路面がきれいになった段階でタイムアタックをするほうが速いタイムが出しやすくなるので、セッションの後半の方でアタックをかけます。考えることはみな同じなので、コース上が混雑した中で他車の隙間を狙ってタイムアタックをしなくてはいけません。このあたりで有利なポジションを見つけようとするドライバーの駆け引きや、無線のやり取りを観るのがひとつ楽しめるポイントになります。

このQ1セッションで、私が注目しているドライバーは、ウイリアムズレーシングのジョージ・ラッセルで、Q2に進出できるかという点に着目しています。名門のウイリアムズチームですが、特に昨年はマシンの戦闘能力が低く、どんなに頑張ってもQ2進出が難しい状況でした。それでも昨年のチームメイトだったクビサに対して速さをみせてきたラッセル。今年はマシンの戦闘力も増し、下位グループとは互角に争えるマシンを手にしました。メルセデスのドライバー育成プログラム出身のラッセルにとって、トップチームのメルセデスF1に移籍するには、その実力を見せ続けなければいけません。依然として苦しいマシンではありましはが、期待以上の実力を見せられるか、彼のスピードに注目です。

タイヤ戦略が問われるQ2セッション

Q2はトップチームにも見どころがあります。それはQ2でのタイヤ選択です。最終セッションへ進出するトップ10チームは、Q2セッションでトップタイムを記録したときに使用したタイヤと同じ種類のタイヤが、翌日の決勝レースで最初に装着するタイヤの種類に確定するからです。

決勝レースで他チームとの違いが大きく出るのがタイヤ戦略です。やわらかいタイヤであれば短時間でグリップ力が失われ、硬いタイヤは長持ちします。一般的に長いタイヤでスタートしたほうが決勝レースでの選択肢が増えるので有利になります。余裕を残してQ3セッションに臨めるチームは、なるべく硬いタイヤでの突破を目指すことになるので、ほかのチームと違うタイヤでタイムを狙うチームとドライバーがいれば注目です。

このセッションで注目したいドライバーは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルです。昨年まで優勝争いを演じたフェラーリチームですが、今シーズンの車は出来が悪く、マシン性能は中団グループと同程度です。特にベッテルの方はマシンとの相性が悪くタイムを伸ばせていません。4度のワールドチャンピオンであるベッテルが、Q3に進めるか進めないかハラハラさせられるというのがQ2の注目ポイントでしょう。来シーズンはフェラーリから他チームに移籍するか一旦F1を休むかその去就も注目されています。移籍や将来のためにも実力の高さをアピールする必要があります。

意外なチームのポールはあり得るか?

Q3セッションはポールポジション争いが目玉ですが、晴れているドライコンディションでは、メルセデスF1チームの速さが圧倒的なので、他チームドライバーとのポールポジション争いを観るのはなかなか難しいでしょう。ただ、雨が降る混乱した天気であれば、ある程度ポテンシャルの高いマシンを持つドライバーであればポールポジション争いに加わることができると思います。

たとえば、今シーズン台風の目になっているレーシング・ポイントの速さには注目です。今シーズンのレーシング・ポイントの車であれば、雨のレースで強さを誇るセルジオ・ペレスなら、もしかするとポールを獲得できるようなことがあるかもしれません。

ポールポジション争いだけに注目すると、今年はメルセデスチーム内の二人の争いという形になり、なかなか楽しめないでしょう。各セッションの楽しみ方や推しドライバーの活躍にも注目すると、2020年のF1公式予選がぐっと楽しくなるのではないでしょうか。

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