サレントに残る古代ギリシャ料理〜乾燥ソラマメのマッコ〜
前回の記事「ポレンタの祖先 〜古代ギリシャ人が食べていたムール貝のシムラータの作り方〜 」につづい、て料理書の中から見つけた古代ギリシャの匂いのする料理をご紹介します。
古代ギリシャ人はそら豆が大好き。旬の時は生で、その後は乾燥させます。中部イタリアでは、多くの村で「生そら豆の収穫祭」があります。これは5月の青空の下、広場でそら豆とペコリーノチーズを合わせて食べるというもの。山もりの空豆が盛られた皿を前に、鞘から出した空豆にチーズを挟んで口にポイ。料理ともいえないものですが、まさに季節を感じる一品。他にも豆はたくさんあるのに、なんだか空豆が特別に見えるから不思議です。
乾燥させた空豆は、一年の食の安定に役立ちます…古代ギリシャ時代は冷凍庫も真空パックもなく、食材が豊富ではないので、作られる料理も今のように種類が多くはありません。
その中で、乾燥そら豆を使ったマッコは南イタリアのスペチャリタ。かつて古代ギリシャ人が住んでいた地方にある料理です。
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