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ポレンタの祖先 〜古代ギリシャ人が食べていたムール貝のシムラータの作り方〜

プーリア州レッチェの周辺にある9つの村に、古代ギリシャ人の子孫が住んでいるそうです。

たまたま出会ったレッチェの青年に「貴方は古代ギリシャ人の子孫なの」と聞いてみたら、いとも簡単に「そうだよ」という返事。今では、古代ギリシャ語を起源とする言葉も変化しているそうですが、それでも日常に使われているとか。

さあ、料理の方はどうでしょうか。その地方の料理書を見てみましょう。やはり多いのはソラマメ・・・古代ギリシャ人はソラマメが大好きなんですよ。それも乾燥させて保存してあるものを水で戻して煮てピューレにしたもの。名前はマッコといいます。

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そして・・・ありました、ありました。まさに古代ギリシャ人の料理の子孫が。名前は「シムラータ」。料理書には6種類ものリチェッタが載っています。基本はドューラム小麦の粗挽きを煮たもの・・・これをプールスと呼びます。やがてこのプールスがポレンタに変化していきます。だからポレンタとはトウモロコシを使ったものだけではなく、元はこちら。

シムラータ本来のリチェッタは豆と合わせたり、ローズマリー風味だったりと構素朴なものが多い中、これはごちそうだと思えるものを作ってみました。
写真の「ムール貝のシムラータ」がそれです。

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