【レシピ】ドゥーロ小麦とじゃがいものカヴァテッリ 豚肉のラグー
ドゥーロ小麦の大産地プーリアでは、オレッキエッテをはじめ手打ちショートパスタがよく作られています。ドゥーロ小麦は、わざわざ卵を入れる必要がなく水だけで安定するので、かえって長いものだと生地が固くなりすぎて食べにくくなってしまうからです。
それもあって、最近のリチェッタではテーネロ小麦と混ぜているものが増えてきました。今回ご紹介するモリーゼ州のカヴァテッリは、テーネロ小麦ではなくジャガイモを混ぜて生地を作っています。これは前述の理由ではなく、おそらく小麦の節約からきているのでしょう。
モリーゼの地形は、半分が山岳地帯、残りが丘陵地帯で平野はゼロという悪条件。小麦を作るのにはあまり適していませんが、山岳地帯でも収穫できるジャガイモならばたくさん採れます。そこで、プーリア地方一帯にあるカヴァテッリまたはカヴァティエッディが、この地に来ると、小麦の量を減らしジャガイモで量を増やすようになっていったわけです。
その結果生まれたカヴァテッリは、歯触りが固すぎず、魅力的な一皿になっています。ちなみにカヴァテッリの名称はCavo=窪み、凹みから出ていて、ソースが絡みやすいように形状から出ています。ソースは豚肉を細かく切って煮込んでいるラグー。加工肉の材料である豚肉は、山岳地帯の重要な食材でもあります。
ポイント:ドゥーロ小麦のパスタは、それだけで作ると食感が固くなりすぎてしまうので、ジャガイモの量を加減して、好みにあった固さにします。
カヴァティエッレ 豚肉のラグー
Cavatielle al ragu di maiale
カヴァティエッレ アル ラグー ディ マイアーレ
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