制作後記『燗酒に魅入られた男』

渋谷の雑踏の中で最近考えます。
「僕に日本テレビの看板がなくなって、ここを通る人達にインタビューのお願いできるだろうか?聞いてくれるだろうか?」ということを
まだ社員でいる今なら全然平気です。
首相官邸だってアポなしでカメラ回して飛び込んでたわけですから。
でも自分だけになって、日本テレビという看板がなくなって…
この事をしっかり考えていかねばならないといつも自分に問いかけています。

そういう意味で今回の作品はなかなか面白い作品が撮れました。
多分、日本テレビの看板を背負っていったら
被写体の後ろであんなにガチャガチャ準備したりしないんじゃないかな?
すんごい音してたから、撮影時「大丈夫かな?」と
心の底で心配してました。
もちろん開店前、しかも予約客の入る日の準備中に
インタビューのお時間を頂いたわけですから
後ろで仕込み作業が行われるのは当たり前なのです。
お店の方にとって「お客さんが一番」なのですから。
でも日本テレビの番組で行くとなかなかそうはいきません。
欽ちゃん曰く「よそいきの顔」になっちゃう訳です。
テレビのために全てが止まったお店で撮影することになる訳です。
看板がない僕だから撮れたインタビュー作品となりました

被写体は付き合いがすでに50年になるんじゃないかという幼馴染で大親友
そんな空気と職人気質のお店の感じがあの音に現れていると思います。
自慢の作品が撮れました。

あと実は別アングルも撮っていたのですが
50歳を過ぎた男の顔があまりに良かったので正面の画で押しました。
シワも陰影も、下手くそなフォーカスフォローも
なかなかの味になっているんじゃないかな?(フォーカスは下手なだけか…)
実は引きアングルのカメラはシャッター速度の設定を間違えて
波々の映像になってたのはこっそり猛反省してます。
あと4Kの設定のつもりがHDだった…まだまだ素人です

追記
よく考えるとタイトルおかしいんだよな
「燗酒に見入った」訳で「燗酒に魅入られた」わけじゃないんだよな
ま、燗酒の方も奴を虜にしたってことで良しとするかw