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「雛形を創る人」と「雛形を使う人」

今日は、大事な話をしたいと思います。

私は、不動産鑑定や不動産コンサルティングという仕事柄、不動産鑑定評価書や評価のEXCELフォームを作ることが多く、これまでにもいくつもの雛形(テンプレート)を自ら作ったり、また、周りの同僚の作った雛形を利用して仕事をしてきました。

これまで多くのプロジェクトを経験する中で、ビジネスの世界には次の2種類の人が存在することを発見しました。

「雛形を創る人」と「雛形を使う人」

この2種類の分類は非常に重要であり、仕事の出来る、出来ないは実はこの二種類の分類とほぼ同義であると考えます。

それでは、それぞれ見ていきましょう。

「雛形を創る人」と「雛形を使う人」の違い

例えば、企業活動の中における「報告書」を取り上げてみましょう。

社内では、月末〆、四半期〆、半期〆、年度〆など企業の中では実績や成果を報告書のフォーマットで上司や経営層に上申したり、顧客に向けて納品前の見積もり、納品後の引き渡し確認書なども「報告書」に該当しますね。

特に大企業においては多くの報告書の雛形(テンプレート)があり、これに打ち込んで報告書を作成する仕事も多いと思います。

企業に勤務するサラリーマンの方々は、雛形(テンプレート)を創るという機会が意外に少なく、雛形(テンプレート)に打ち込むということに忙殺されているというのが実態でないでしょうか。

企業マネジメントの観点からは雛形にて業務を統一的に管理していくというのは非常に重要であり、顧客に対して毎度異なったスタイルの見積もりを都度作成するというのは非効率でもあるので、雛形の存在は非常に有難いものです。

さて、ここで重要な質問です。

皆さんは、この雛形(テンプレート)を創ったことがありますか?

意外に無いと答える人が多いのではないでしょうか?

「それは経営企画の仕事をしている人の仕事だから自分には関係ない」と答えてしまう人は非常に危険です。

その理由は、

決まり切った定型の仕事しかできない人になってしまうから

です。

今、中高年のリストラなどが話題になっていますが、端的に言うと、リストラ対象は、雛形(テンプレート)に打ち込んできた人であり、雛形(テンプレート)を創る人は、企業は手放す訳がないのです。

リストラとは、この雛形にただただ打ち込むことに何十年も費やした人の末路とも言えましょう。

企業経営の観点から見れば、雛形を使う人は代替性があるのですが、雛形を創る人には代替性が無いのです。要は代わりはいくらでもあるか、代わりが全くないか(希少なのか)ということです。

今後、会社から与えられた雛形を単に使っている人は、給料は伸びません。まして、雛形を使ってきただけの人が脱サラして独立開業するなんて自爆行為です。

この重要なポイントを若いうちから気が付けるかどうかで、その後のビジネスパーソンとしての人生が決まってくると言っても過言ではありません。

「雛形を創る人」になるには?

企業活動において雛形を創ったり、改良していくには、多くの利害関係者の調整が必要であります。

雛形を創るという行為は、正に企業内でリーダーシップやマネジメント力を発揮する大チャンスでもあるのです。

まずは、どのようにすればチーム全体が分かりやすく効率的に業務遂行できるか?報告先の上司や顧客に対して分かりやすく伝えることができるか?ということについて問題意識を持ち、手元にある雛形の改善を社内で提案してみるということからスタートしてみるのはいかがでしょうか?

いきなり、雛形を創り上げるというのは、ハードルが高いとしても、現状の改善は問題意識を鍛えるチャンスでもあります。

従来の雛形を変更するには、チーム内での同僚や上司との調整、関係各部署との調整、ひいては経営層との調整が必要になり、正直面倒くさいものです。

しかし、このような調整を厭わず、ザクザクっと最適な雛形を更新し続ける人を会社は見逃すはずがありません。

そのようなあなたの行動を会社はよく見ているものです。

リストラされる人は、残念ながらこの大事なことに気が付いていないまま、何故自分がリストラされるのかすら想像もついていない人が多いのでないでしょうか。




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