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「晴れの日も雨の日も」 #9臨時投稿 コーチングのコツ?

最初にお詫びします。コーチングのコツ、そんなサッと読んで、パッと身について、チャッチャと実践できる魔法のようなスーパーテクニックはありません。と、少なくとも私はそう思います。
コーチングの精神とか考え方、望ましい行動様式。それはあります。巷の本にも書いてあるし、教えてくれるところもある。言っていることは至極ごもっともで、その時は「なるほど」と思います。
しかし、頭でわかる(わかったつもり?)と実際に現実の場で「できる」というのとは全然別のことです。
今回は、今週の貴重な経験を
  ①失敗
  ②そうなん?!
  ③突破
  ④わかったこと
の 4部構成で、自らの忘備録も兼ねて、臨時投稿したいと思います。


① 失敗

一昨日、「フィードバック」についての学びのクラスがありました。参加者とメンターコーチが電話でつながって行います。
そこで6 分間の短いエクササイズがありました。参加者からコーチ役とクライアント役を募り、あとの参加者はそのやり取りを聞くプログラムです。それぞれの立場で気づきや学びを得ようというものです。私はコーチ役をやらせて頂きました。テーマは、平たくいうと、相手の方とその周辺の方の人間関係に関するものなのですが、その方の一言めを聞いた瞬間、私は
「そりゃ、フィードバック以前の問題やろ。ベースの信頼関係がきちんとできてないんとちゃうの。そこをしっかりさせないとフィードバックもクソもないで」
と思ってしまいました。
この時、この言葉は、いわば考えるまでもなく、聞くや否や間髪を入れず頭に浮かびました。今でも、この方の状況に対する考え方としては間違っていないと思います。しかし、このエクササイズでは、こういう自分の思いに捉われたところからスタートしてしまい、おまけに種々の制約がある中でのセッションエクササイズだったため、甚だ不出来なコーチングとなってしまいました。自分の価値観や相手の問題解決そのものは手放して、真っ白な心で相手の話を聞き、相手の内面に焦点を当てるというコーチング本来の聞き方が、全くできなかったわけです。


② そうなん?!

たまたまですが、同日の夜、“「引き出す関係」から「一緒に考える関係へ」“というセミナーを受講しました。タイトルや内容に特に関心があったわけではなく、私が今学んでいるスクールの社長が講師だったから。それが受講の理由です。いわば何となく受けちゃった、みたいなもん。その中で、「一緒に問題解決を考えると相手が話しやすくなる」と、一緒に問題解決を考えることを勧めるくだりがありました。
これを聞いてビックリ‼️
だって、一緒に問題解決を考えてしまったら、「相手が自分で問題解決を考える。コーチはそれに取り組む相手を見る」という、これまで学んできた大原則と反対になってしまうから。
かつて 1on1 でついてくれていたコーチは、私の問題そのものにはほとんど関心を示しませんでした。「で、あなたはどう感じましたか?」というようなことは繰り返し聞いてくれましたが、私の問題の、例えば事実関係などは頭の中にも残ってない感じでした。私は小さな違和感を感じながらも、でも、コーチングでの「聞き方」はこういうものなんだと思って取り組んできたのです。それが、この日の講師は、「問い」だけでなく、こちらのしゃべったこと、会話そのものが相手の思考を深め気づきを促すことがあると言うのです。
なーんだ、それもありなの?それやったら、オレはコーチングに関わるもっとずっと以前から何度もやってきてるで?なんかこれまでの話と随分違うなー??
(追記:このセミナーの趣旨は、職場での一般的な1on1についてのもので、専門家たるコーチの心得としては少し趣旨が違う、ということかもしれません)


③ 突破

これまたたまたまですが、この次の日に私はクライアントとのセッションがありました。別に上記の話が念頭にあった訳ではないのですが、
奇しくもここでそういうシーンが発生‼️

私は、ほぼ、相手の内面に焦点を当てる姿勢はキープできており、ま、悪くない感じでセッションを進めていました。するとある瞬間、
相手が「こうしてしゃべっているうちに気がついたんですけど」と言って、めちゃめちゃ重要な気づきを語り始めました。これは私が問いを投げかけてその答えが引き出されたというのでは全然なかったのです。
問題の周辺を「どういうことなんやろなあ」と一緒にぐるぐる回り、「こんなことどう思う?」とヒントになるような切り口を提示したりして、会話しているうちに相手がたどり着いたものです。なかなか衝撃の場面でした。
で、こうなると、お互いの意識は十二分に高まっており、共有している世界が広がってきています。相手がさらに関連事例を話し出し、私もその事例につながる自らの体験を話しました。この話も相手にしっかり受け止めてもらい、「価値」を提供できた実感がありました。ホントに身震いするような時間でした。
恥ずかしながらゲロすると、こっちも興奮してしまって、ピュアコーチとしてはちょっと喋り過ぎというぐらい私がしゃべってしまった時間も少しあったのですが、でも、我々二人双方にとってとっても有意義な時間だったのです。


④ わかったこと

教えてやろうという姿勢で自分の経験知見を語ることは押し付けでしかない。それはもともと相手が求めていた訳ではなく、従い、受け取られにくい。しかし、相手の内面に焦点を当てながら、相手の考えを尊重しながら会話を深め、互いの精神が十分融合した中で、相手の話に呼応するようにして話す経験・知見は相手にとってプラスになる。Heavy noter のじーじさんと、後進の邪魔にならずに後身のためになるにはどうしていったらいいのか、という問いを共有してきたのですが、一つの解が見えたような気がしました。#7 で記載した「ながいコーチならではのコーチング」、すなわち私が提供できる original の価値、というものが少し見えたような気がします。
現在コーチングの基本を勉強中ですが、実際の現場はフクザツで流動的。基本はしっかり身につけつつ、それに捉われず自分の引き出しを全部開けてベストの対応を模索・選択していくということが大事なんだとつくづく思いました。

今回も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♫

                                                                  長井克之                                        
                    nagairb21@jcom.zaq.ne.jp

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