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「晴れの日も雨の日も」#44       I am on your side.

去年の5月から始まったコーチングの勉強はあと2回の受講でコース終了となる。もう第4コーナーを回りきった感じだ。そんな私の頭の中で最近このフレーズが繰り返し鳴り響いている。

普通に日本語に訳すと「私はあなたの味方です」となる。
が、私の中では少しニュアンスが異なる。

「味方です」というと、支持するとか応援するとか「あなた」に対する積極的能動的な働きかけが感じられる。
とにかくフォローするという盲目的妄信的な印象や、「何があっても私は裏切らない」という力強いメッセージ性もあるかもしれない。

それが本当ならこんな有難いことはないのだが、小心者の私は、
それってホンマ?
あなたはそんなに言えるほど私の何をわかってるの?
何でそんなに強い思い入れを持てるの?
あとで「こんな人とは思わなかった」みたいなことになったりしない?

などと思ってしまう。

一方、英語の原文は直訳すれば、「私はあなたの側にある」だ。
いわば、あなたが川のこっち岸にいるとすれば、私も同じこっち岸にいるということを指す。「doing」ではなく、「being」あり方を言っている。
あなたが見ているのと同じ景色を私も見ている、あなたが感じているのと同じ風を私も感じている
、と言うこともできるだろう。

これは上記のような嘘っぽさがない。
まずは、あなたと同じ側に立ってあなたと同じように物事を見る。
これが出発点で、「味方になる」かどうかは、そのさらにずっと先の話だ。私は、淡々と情景を述べているこの言葉の方が相手の見たもの感じたものをそのまま共有している感じがして、「味方です」と言うより誠実なイメージで気に入っている。

さて、なんでこのフレーズに強く取り込まれているのか。
それは、今私がやろうとしているコーチングのマインドを実に端的に示していると思うからだ。
コーチングでは、会話を通じて相手の内面を一緒に探りに行く。この会話では、コーチには、相手の話の対象や内容そのものではなく、相手の内面に焦点をあてて聞くことが求められる。
これは、私なりの感覚で言えば、相手の中にすっぽりと入り込んで、相手の目を使ってその物事を見、相手の価値観に関心を持ち、それにしたがえばそのものがどう映るのかを相手と一緒に考えてみるということだ。
相手と同じ側にたって物事を見る、I am on your sideというのはその原点なのだ。
同時に、私はあなたと同じ側にいるよ。だからあなたは一人じゃないよ、というメッセージでもある。同じ側にいるからいつでも助けに行けるよ、という姿勢でいることでもある。

この聞き方には訓練が必要だ。日常の会話での「聞く」とはかなり質を異にする。私も学びはじめの頃はどういうことなのかさっぱりわからなかった。最近少しづつわかってきた。少しづつできるようになってきた。
そういう変化成長と共に、この言葉が自分のものとなって自分の中に棲みつき始めたのだと思う。

そして多分この言葉の精神はコーチングに限らず、人と関わる時に常に有用なのだと思う。そのおかげで、私は今自分の人生が開き始めているのを実感している。

コーチングさらには、人間とは、ということは生涯学び続けていくものだ。この先上級コースに進んだり、他流派で学ぶ可能性も残っている。
まずは一つの節目を迎えるにあたり、ステキな言葉に出会えたことを、この言葉のステキさに気付けるようになったことを素直に喜びたい。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予告>
#45 失敗
#46 友人の恋バナ。未満の話。
#47 人と比べない
#48 誠意
#49   コミュニケーション・クリエイター

(続く)

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