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「晴れの日も雨の日も」#15 観察力-相手への興味・関心

文部省所管団体である(一財)生涯学習開発財団認定コーチの資格を取得し、このほどその認定証が届きました。
小中高大と卒業証書をもらっても大した感慨もなく、そのへんにほったらかし放し。すぐにどこにいったのかわからなくなってしまうような始末でしたが、自分の意志で自分に投資をして始めたコーチングに、こうしてひとつの形が与えられたことは、やはりとても嬉しく思います。


さて、今回はコーチングの基本、というよりコーチング以前の礎(いしずえ)とでもいうべき「観察と相手への興味・関心」についてです。タイトルは立派ですが、内容はコーチングに無縁の方が寝そべりながらでも気楽に読める日常のしょうもない出来事のお話です。

私は今阪急梅田駅から会社まで歩いて通勤しています。以前はバスだったのですが、コロナ禍になり、つり革や手すりを持たざるを得ないバスは何となくいやだなあと思い始め、歩くことに切り替えました。
駅のホームから会社の席までドアtoドアで約40分。まあまあの運動です。
夏の間は当然汗びっしょり。
ポロシャツで行って、会社でワイシャツに着替えることにしました。
下の写真は私の通勤時のかばんです。左が正かばんですが、夏の間はワイシャツやその下のシャツ、タオルを持って行くため、右のズタ袋のようなかばんで通勤しています(サラリーマンのカバンとはおよそ言い難い。そもそも「かばん」と呼べるシロモノか??)。

正かばん(左)とズダ袋かばん(右)

いささか古新聞ですが、約2か月前の10月半ば。そのほんの少し前までの夏を思わせる日差しから、突然、急に寒くなりました。
私の通勤スタイルも変わりました。着替えを持って行かなくなり、カバンがズタ袋から正カバンに変わったのです。そして10日ほどするとワイシャツだけじゃなく上着も着て通勤するようになりました。

その上着着用の初日。帰宅した私に家族がかけてきた言葉が
「カバン戻したんや。」
にこにこ顔でそう言ってきた相手の顔を見て、こちらもにこにこしながら「そう、戻してん」と一言。それで家族の中でのこの話題は何事もなく終了し、テレビを見ながら他愛もない話に。家庭は波風一つなく平和でした。だから何も言う必要は本来ありません。

でも、ここからが本題です。
私がカバンを戻したのは事実。間違っていない。
しかし、それは10日ほど前のこと。

今日私の変化をアクノレッジ(承認:相手に表れている変化や成長に気付き相手に伝えること)するなら、「上着着始めたんや」じゃないの?
この10日間私のことは見ていなかったということ?
そもそも関心がないということ?

というような違和感みたいなものがほんの少し胸の底で動きました。

いや、正しく言うと、この時にめっちゃ引っかかったなどということではなく、この違和感みたいなものは後付けでネタにしたようなものです。
もともと私は、そんなことにはむしろ鈍感な方で、従来の私ならたぶん間違いなく何も感じずにその場面は通り過ぎていました。ほんの少し「ん?」と思ったのは今コーチングで観察とアクノレッジメントの重要性を学んでいるから。

たとえばコーチングの場で、ちょっと繊細な人にピンボケのアクノレッジメントをすると、人によっては結構な違和感やチグハグ感を感じる可能性があるということに気付いたのです。

アクノレッジメントはその内容だけでなくタイミングもめっちゃ重要なんだという気づき。変なタイミングで言うと「それまで何やったん?見てなかったん?今頃気がついたん?」という話になる。むしろ逆効果。
だからこそ普段からしっかり観察することがまず何より重要だし、気がついたことを何でも言ったらいいという訳ではない。何のためにそれを言うのかという目的を持ったアクノレッジメントにしないといけない。

ちなみに、私が今学んでいるプログラムでは、「コーチングとは」というのは2番目のアジェンダで、その前にまずいの一番に学ぶのは「観察」ということ。これは、「コーチング」に入る前に、相手をよく観察し、レッテルや思い込みに囚われずに、本当の相手を真っ白な心で見ていきましょう、それができないと傾聴は難しいし、コーチングもへったくれもありませんよ、ということだと解釈しています。なるほどよくできたプログラム構成だと感心もしています。

さて一方ひるがえって、私自身は、家族の変化に気がついてあげているだろうか?ちゃんと興味・関心をもっているだろうか??
まあ、ないことはない。
今日は機嫌どうなんやろ?なんかあったんかな?疲れてる感じやな?、とかそういう目で見てる。
今話をしてもたぶん聞いてくれないだろうな。
そういう観察もしている。でもかばんとか服装とかは見てない。
と考えてくると、どこに関心を持って見るか、という問題もあるゾ
とまたまた新たな気づき。
また言い方もたとえば、「カバン戻したん?」じゃなく、「あれ?カバン戻したんやね?私は今日気がついたけど、今日から?/しばらく前から?」と聞けば、何のチグハグ感もない。言い方も大事なんだ。

ふーん、何気ない日常もよく考えてみるとオモロイ気づきがいろいろ転がっているんだなあという一日でした。

で、実は日常の私はだいたい自分のことばっかり考えていて、相手のことはよく見てないことが多い。たとえば、何かオモロイことを言ってやろうというようなことにばっかり意識が行きがち。いわば目立ちたがり。大阪弁で言いう「いちびり」なのです。これではいかんなあという最後に反省です。
さて、これを読まれた方がこんな人にコーチングをしてもらいたいと思うのかどうなのか?人によっては「なんか頼りないピヨピヨコーチだなあ」と思われるかもしれませんが、それでも正直に等身大の私をお見せしておくことがいいだろうと考えています。

今日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。

                          長井克之                       nagairb21@jcom.zaq.ne.jp

<予告>
#16  かっぺいものがたり
#17  2021年還暦の年を振り返ってreborn 再生再出発
#18  今年にかける想い ゆったりユルク揺ぎ無く
#19  五感+1をフル動員して生きる(今年のテーマその2)
#20  成長について 

(続く)

おまけ
下の写真は、私の通勤路 土佐堀川の田安橋付近に突然出現したラバーダックとやら。「中之島ウエストものがたり2021」と題するイベントのようで、
「このフローティングダックは、政治的意味合いで分割される国境など、この世に存在しないことを知っています。」との文字も。
ちょうど歩きながら、「分断」とか「つながり」、「友達」みたいなことに思索を巡らせながら歩いていたところで、「何かのご縁?」みたいな気がしました。このテーマは重要なテーマでいずれあらためて投稿を予定しています。

ラバーダック



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