「晴れの日も雨の日も」 #140 ステキな言葉
作家井上ひさしさんの創作モットーとして有名な言葉を掲げた。
有名だといっても、実は私がこの言葉を知ったのは最近でしかない。糸井重里さんのほぼ日がネタ元だ。さらに言うと井上ひさしさんって、ひょっこりひょうたん島の作者だということぐらいしか知らない。
今年はその作品を少し読ませて頂こうと思っている。
むずかしいことをやさしく、というのがまず一丁目一番地であり、これは最低条件とも言えるだろう。
反対にわざわざしかめっ面して小難しく言う人がしばしばいる。
自分を賢く見せたいのか。あるいは、実は言ってる本人がちゃんとわかっていない、ということも多いのではないか。
たとえば、抽象的な表現やカタカナ混じりの流行り言葉で、なんとなくわかったようなことを言う。だけど、本当に自分のものになっていないから、その言葉には人肌の温度感やしっとりした感じのものが感じられない。変にカサカサ乾いていたり、ツルツルとしていてひっかかりがない。聞いた方に何にも残らない。
それを言って相手に何を伝えたいのかという気持ちが欠けており、易しくもなければ優しくもない。ほぼ日の学校で、どなたの言葉だったか失念したが、プラスチック言葉を使わないという話があった。通底するのだろうと思う。
たとえば、昨今のビジネス用語で言えば、パーパス、Well-being、人的資本経営、ジョブ型雇用などなどがこうなりやすい。自分の言葉で自分の肉声で語らなければ、人に響かないのだと思う。
「やさしく」のためにはそれが本当に自分のものになっていることが必要なのだ。
そうして自分のものにしたら次はそれをふかめる。深めるのはキリがない。そして深めれば深めるほど味が出る。その結果見つけたものは、実はほかの道の真理と通底していたりする。そうなるとおもしろくなる。
人に響かせたり刺さらせたりするためには、やさしいとふかいは必要だが、それだけでは不十分で、おもしろいことが必要だ。マンザイのようなゲラゲラはいらない。ユーモアがほしい。
ユーモアとは、キザを承知でいえば、それは愛なのではないかと思う。
いやスゴイ。
ここまででも十分スゴイ。十分どころではない。バリバリスゴイ。
しかも、それをまじめにやろうというのだ。
まじめにといいつつ、肩に力が入ってガチガチになったのでは見えるものも見えなくなるから、今度はゆかいに、という。
そして最終的にはそのゆかいをとことん極めよう、とおっしゃっている。
いやいやまいりました。脱帽完敗土下座の気持ちだ。
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そして、ゆかいなことはあくまでゆかいに
実は、この記事を書いているのは1月1日元旦だ。新年を始めるにふさわしいことを何か書きたいと思った。
#139「私にとっての『書く』」で書いたように、私は読んだ人の心がほっこりするようなことをもっと書きたい。井上ひさしさんのこの言葉に出会ったのは去年の話だが、掘り下げたり深めたりすればそんな記事にならないかと思いついた。
残念ながら結果はいつもの私の文章の域を出ることはできなかったようだ。しかし、ステキな言葉を大事にしていくことがいずれそういうことにつながるのではないかと期待している。
今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
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<予告>
#141 おでん屋にて#3 ホワンといこう
#142 一人暮らしのベテランやで〜
$143 ズレはチャンス
(つづく)
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