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「晴れの日も雨の日も」 #132 おでん屋にて#2 責任

先日いつものおでん屋にてクライアントと一献傾けた。
親会社勤務時代の知り合いだ。今は立派な会社の経営幹部で真摯な方だ。
ご縁があってコーチングセッションを重ねているのだが、ポケットマネーでフィーをお支払い頂いている。自腹でお付き合い頂いているのはこの方だけだ。誠にありがたく足を向けて寝られない思いだ。

この日はコーチングとは全く関係なく、ご家族の話やら昔話やら雑談に花を咲かせた。もともとそういう趣旨でお誘いした。しかし、まじめな彼のこと、話は仕事や職場の問題にも どうしても及ぶ。そうなると、結局会話には多少コーチング的な色彩が漂ってくる。

彼は「責任」という言葉を繰り返し使っておられた。
これがキーワードだと感じた私は、
「あなたにとって責任とは何なのか、責任を取るとはどういうことなのか」
という問いを投げた。彼は一瞬目を白黒させたが、
「何かあれば役員会でオレが怒られてやる、ということかな」
と答えられた。

私は「なるほど、そうなんですね~」と答えながら、この話をさらに深めるか、飲み屋ではここまでにしとくか、少し迷った。
で、ふと正面を見ると、目の前でみーちゃん(店のスタッフ。アラフィフのおばちゃん)が皿を洗っている姿が見え、いたずら心が湧いた。

(そや。みーちゃんに話をふったろ)

当然、我々の話がみーちゃんの耳に入っているのは折込済みだ。

わたし  :なあ、みーちゃん、責任って何やと思う?
みーちゃん:そんなんわたし、わからへんわ。(この一次回答も計算済)
わたし  :そうやんなあ。むずかしいよなあ。
      でも、たとえばオレとみーちゃんがヘンなことになった
      とするやろ。で、子供が出来たとするやん。
      それをオレが認知したら責任取ったと言えるんかな。
みーちゃん:だって、わたし、ながいさんとそんなことにならへんもん。
わたし  :いやならんけど。たとえば、やん。
みーちゃん:たとえばでも、ならんもん。
わたし  :なんや、冷たいなあ。そこまで嫌われたらしゃあないなあ。
一同   :ワッハッハー

と、真面目なコーチングセッションから飲み屋の雑談にギアチェンジしかけたその時。

私の隣にいた仲良しの常連さんがプッと吹き出して、会話に参加してきた。ご自身で会社を経営されており、穏やかでおもしろい いい人だ。で、この人やみーちゃんも交えた4人でしばらくわーわーやった後。みーちゃん同様我々二人の話を小耳に挟んでいたこの人が責任について語りだした。

なんでも最近ちょっとしたミスから損を少しかぶる事件があったらしい。それはこの方の会社とその発注先、さらには客先のそれぞれに責任がまたがるものだが、客先はその損をかぶらなかったという。まさにホットなタイミングで責任について思うところがおありになられた。

で、「責任は未来に対してとるもの。土下座をすれば終わり、ではない」ということをおっしゃった。
エエことおっしゃいますねえ、と申し上げたが、これは120%の本心だ。
この「未来に対して」について、再発防止だけではなく、相手の姿勢によってこちらも今後の付き合い方を変える、とおっしゃった。

そこからさらに私の頭は進んで、済んだこと・起きてしまったことじゃなくて、これから起きることにどう臨むのか、その覚悟があるのか、それが責任だよなあ、という気づきを頂いた。起きたことをどう収めるのか、その先にどう繋げていくのか、そこに自分自身がどう関わっていくのか。そういうことだと思った。

このクライアントさんとまた「責任」について語り合う機会もあるのかな。今後のセッションが楽しみだ。


しかし、このおでん屋オソルベシ。
私にとって間違いなく、なくてはならない場所だ。


追 「THE FIRST SLAM DANK」観てきました!音響含め映画館ならではのど迫力に大満足。おもしろかった〜。内容?ネタバレ厳禁の模様なので。。。

劇場版スラムダンク。絶賛上映中!

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予告>
#133 人生ゲーム
♯134 subtie
#135 コーチングをお届けしてみたい人

(つづく)


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