「晴れの日も雨の日も」#14 日常の中にオモロイを探して 後編 誌上コーチング?
日常の中にあるオモロイを自ら探して生きようよ、と前編で記載した訳ですが、ちょうどそのタイミングで、ネットのある記事に目が留まりました。
「恋人とも別れて、在宅勤務で誰とも会わない日もザラ。毎日全くのっぺらぼうのように過ぎていく。このまま年をとっていくのかしら。やる気も起きず心も動かない。つまらない毎日」
という40代独身女性の声に対し、
「阿佐ヶ谷姉妹のように、壮大なドラマよりほっこりさせてくれるものを日常の中に探して、プチ幸せを積み上げていきましょう」
と回答者が投稿している記事です。
コーチングは、生き物の会話の上に成り立っているものなので、あらかじめシナリオを決めるような「誌上コーチング」なんてホントはありえません。こんなことを書いているだけで、先輩コーチたちから「キサマ0点!」とお叱りを受けるかもしれません。ま、こう言ってあげたらどうなる?という妄想劇としてビールでも飲みながらご一読下さい。
人生そんな捨てたもんじゃないネ
と、ほんのチョッピリでもご理解いただければ誠に幸甚です。
まず、この女性に対して「最近のgood newsを聞かせてください」と聞くところから始まります。その人はきっと「そんなもんありません!」って言うでしょう。さあここからです。
たとえば (以下「 」:私 / “ ”:相手)、
Q1:「今日のお昼は何食べましたか、美味しかったですか」
“○○です”
「お味はどうでしたか」
“おいしかったです”
→「良かったですね~。Good Newsがあるじゃないですか!」
→“そんなおいしいものがあったことぐらいGood Newsにはなりませんよ”
→「確かに小さなことかもしれませんね。でも、ひょっとしたらほかにも
小さなGood Newsを見落としているかもしれませんよ?一緒に探しに
行きませんか?」
“おいしくなかったです”
→「それは残念でしたねえ。どうですか、明日は何かおいしいものに
出会えるようなチャレンジをしてみませんか」
→“めんどくさいから結構です”
→「そうですね~。でもどうせ食べなきゃいけないんでしょ?だったら、
おいしいものを探しましょうよ」(半ば無理やり。。)
Q2:「今朝は抜けるような青空でしたね。どんな気分でしたか」
“天気は良くても私の心は晴れません”
→「そうですか。何か気がかりなことがありますか?」
→“気がかりなことだらけですけど、あなたには関係ありません”
→「まあ、そう言っちゃえばそうですけど、逆にあなたの職場や家庭に関係
ないからこそ、何でも気楽に言えるっていうのもあると思いますよ。
一番心に引っかかっている件をひとつ話してみませんか」
と会話が進んでこの人がポツポツとでも話してくれればそれで少しその人も救われるかもしれない。そのうち、「こんな話を一番してみたい相手は誰ですか」と会話が発展して、彼女が人とのつながりを取り戻せれば、もう、
バンバンザイ。
それ以外にも、
「窓の外からは何の音が聞こえますか。小鳥が鳴いていたりしませんか」
「昨日のお風呂はちょうどいい湯加減でしたか」
という聞き方もあるでしょう。
こうした会話を通じて、その人が舌や目、耳、皮膚で感じたことを改めて呼び戻す。その認識の自覚を通じて、気持ちよかったあるいは不快だった等の心の動きに気付くことができる。そうすることで白黒のように見えていた景色が鮮やかな色彩を帯びてくるのになあ、コーチしてあげたいなあと思いました。
美しい風景や小鳥のさえずり、お気に入りの音楽。自分を心地よくさせてくれるものは実は身の回りにいくらでもあります。まずは美しい景色や音色などから入ればいいでしょう。
そして次に、
「美しい言葉」
が心の中に残っていくようになると、人生の見え方はガラッと変わってきます。
「過去と他人は変えられない。変えれるのは自分と未来だけ」
これは森沢明夫作「あなたへ」という小説の一節です。高倉健・田中裕子他豪華メンバーで映画化されたのでご存知の方も多いかもしれません。
「事実は変えられないが、その事実をどう解釈するかは自分が決められる」
という言葉にも最近出会いました。
私は自らの経験もふまえて、本当にその通りだと思いますし、そんなことに気付いて頂けるコーチングが提供できればとってもステキだと思います。
「晴れの日も雨の日も」というタイトルの意味は#8に記載しましたが、加えて、晴れの日には晴れの日の、雨の日には雨の日の楽しみ方がある。雨の日に「なんで雨やねん!」と不機嫌になっていても雨があがるわけじゃなし、自分次第で楽しみ方はきっとありますよ、と今の私は心の底から思います。
追:クイズです。冒頭の写真は朝焼けでしょうか?夕焼けでしょうか?
夜が明けるのかこれから夜になるのか。どっちにも見えますよね。
でも、こっちでは夜が明けるのでも地球の裏側では夜に向かう。
なんだか自分の見方だけなのか、という気もしませんか?
ちなみに正解は朝焼けです。
今回も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました♬
長井克之 nagairb21@jcom.zaq.ne.jp
<予告>
#15 観察力:相手への興味・関心
#16 かっぺいものがたり
#17 2021年還暦の年を振り返って reborn 再生再出発
#18 今年にかける想い ゆったりユルク揺ぎなく
#19 五感+1をフル動員して生きる(今年のテーマその2)
(続く)
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