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【ながおし!⑭】ヘアメイクで明るいまちに! 平野葵さん

長浜で推したい!長浜でこの活動を推している!そんな人々を紹介する「ながおし!」

第14回目は、ヘアメイクアーティストの平野葵さんを紹介します。

彼女に初めて会ったのは、昨年12月、若者のサードプレイスとして賑わう長浜駅前の「itteki」のクリスマスイベント。
会場は高校生たちの熱気が充満し、触れるだけで嬉しくなるような雰囲気で、さらに平野さんのクリスマスメイクコーナーからは、ひと際大きい黄色い歓声が上がっていた。
私は、その中心にいる平野さんが、非常に生き生きと高校生にメイク指導する姿に魅せられ、気が付くと、「ながおし!」で紹介させてほしいとお願いしていました。

昨年12月のクリスマスイベントでのヘアメイク風景

そこから、1ヶ月あまり。再び「itteki」で平野さんによるヘアメイク教室が開かれるという情報を聞き、取材を申し込み、ご快諾いただいた。

取材当日、一別以来の平野さん。
ヘアメイク、美容などに無縁の世界に生きている私が、平野さんにインタビュー。

少し緊張しながら、まず普段はどういう仕事をしていますかと聞いてみた。

「今は自分の店はないので、色んなところに出向いてヘアメイクの仕事をしていますが、4月から市内にスペースを借りて、そこを拠点に仕事することになったので、この取材のタイミング、実はすごく嬉しかったです。」と笑顔の平野さん。

その笑顔に私も少し緊張が解け、続けて、美容やメイクにはいつごろから関心を持ちましたかと尋ねてみた。

高校に入る前はあまり興味がなかったけど、同級生にメイクが好きな人がたくさんいて、少しずつ影響を受けていき、そこに溶け込むことで交友関係が広がった。共通の話題を楽しみ、世界が広がっていくのが嬉しくて、メイクの世界にはまっていったとのこと。
そして、友人同士でプレゼントを交換し合うことや、メイクのアドバイスをし合うことも楽しかったと語る平野さんは、高校生に戻ったような表情だ。

もともと理学療法士を目指していた平野さんでしたが、メイクに対する興味の方が上回り、進路についても、どうしようかと悩むようになっていった。

そんな平野さんの背中を押したのは、「好きなことをやればいいよ。」という母の一言だった。

「美容関係に進もう」平野さんの決意は固まった。
そこからは、早い。好きなことなら学びも手につく。見事、美容学校に進学し上京。
進学当時はちょうどコロナ禍で、オンライン授業も多かったが、同じ目標に向かう同級生やレベルの高い講師の人たちなどの刺激を受け、
また、平野さんの学校では、テレビCMや雑誌に出演する女優さんのヘアメイクの現場にも関わることができ、世界が広がったとキリッとした表情を見せてくれる。

少し振り返ると、平野さんにとって、母の一言は魔法の言葉だった。
そして、この魔法は、ずっと娘を見守ってきた母だからこそ、かけられたものだろう。
母娘の信頼関係にホッとさせられた。

そして平野さんは、卒業後東京のヘアメイクサロンに就職。
そこではベテランのヘアメイクアーティストから、技術だけでなく心構えや接客の仕方などについて学ぶことができ、よい経験だったと振り返る。
一方、東京の生活は家賃や物価が高く、思った以上に大変で、長浜に帰り、生活を見直してみようと思うようになった。

平野さんのメイク作品

よく、長浜に帰ろうと思ってくれましたねと水を向けると、
「長浜は好きで、帰ることに全く抵抗はありませんでした。」と話してくれた。単純に嬉しい気持ちになる。

さらに、長浜ではどういうことをしたいかを聞いてみると、
この「itteki」でのヘアメイク講座に参加してくれた高校生たちが、本格的なメイクで喜んでくれたことが嬉しかったので、若い人にメイクの楽しさ、身なりを整える大事さを伝えられるようになりたいと語ります。さらに、かつての母のように、冒険したい人の背中を押してあげられるような人になりたいと続ける。
素晴らしいなと思い、こちらも自然と笑顔になる。

平野さん愛用のメイク道具

平野さんは、将来どんな人になっているのか。
続けて、5年後の自分はどんな人でありたいか聞いてみた。

これには少し時間をかけて、ゆっくりと
「名前を聞いたら、あそこのヘアメイクさんかと言われる存在になりたい。」とゆるぎない目標を語ってくれた。

さらに続けて、「長浜ではヘアメイクという仕事は非常に少なくて、知っている人も少ない。だから頑張って、多くの人にヘアメイクという仕事をまずわかってもらえるようにしたい。」と意気込む。

彼女の芯の強さを見た。

ここで、長浜のことが好きと語ってくれた彼女に、何が好きかを聞いてみた。

自然がいっぱいで、空気がおいしいところ。そして私の周りには、私を支えてくれる人がいっぱいで、それも長浜の好きなところだと話す。
この良さは、一度東京に出たので、気づくことができたそう。

色んな人に話を聞いてきたけど、やはり長浜の良さは、素朴な雰囲気なのでしょうね。

最後に、長浜にはどんなまちになってほしいと聞くと

「映画が好きなので、映画館があるといいな」と語る姿は、普通の女の子。

「でも長浜城、黒壁などのスポット、曳山祭りなどのお祭りなど長浜の魅力はたくさんあるので、もっと生かしていきたい。まちに外国語の案内を置いて、着物や忍者のコスプレができるまちとして、全世界にアピールして、外国人観光客を呼び込むのもいいと思う。」
と、またきりっとした表情を見せる。

そして、続けて、「こういうことを考えるのは、高校生も楽しいと思う。私がリードしてもいい。」、「将来は、ヘアメイクの出前授業として、高校に入り、身なりの大切さ、面接用のメイクとかを教えながら、SNSでの発信とかも伝えられるといいなと思う。」
と頼もしい。

取材当日、ヘアメイクをしてもらった高校生たちは、かわいく整えてもらったヘアセットやプロのメイクに喜び、「平野さんのヘアメイクがあるなら毎日でも来たい。」と無邪気な笑顔を見せていた。

平野さんのヘアメイク指導を受けて楽しそうな高校生たち

ヘアメイクで長浜を明るく!
平野さんなら、たどりつける。

(あん)

【おまけ】


高校生大学生のサードプレイス「itteki」のユースワーカーの中井さんの眉カット