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【ながおし!⑥】長浜バイオ大学の申し子 原口大生さん

長浜で推したい!長浜でこの活動を推している!そんな人々を紹介する「ながおし!」

第6回目は、長浜バイオ大学でフロンティアバイオサイエンス学科の助手として、研究と学生の指導にあたる傍ら、長浜で様々な地域活動に関わる原口大生さんを紹介します。

実は、ながおし!を始めた時から、ぜひ長浜バイオ大学の人を紹介したいと思っており、大学に誰か紹介いただけるよう打診していたところ、原口さんを推薦いただきました。

長浜バイオ大学にてインタビューを受ける原口さん

原口さんと聞いて、少しビックリ!

彼は学生時代から、地の酒プロジェクト、サイエンスカフェなど、大学の町家キャンパスを中心に行われる大学と地域をつなげる活動に熱心に取り組んでいて、その現場を私も複数回取材し、当時私は彼のことをまさに「長浜バイオ大学の申し子」だと思っていた。

2016年の長浜バイオ大学の発表会 一番左で司会をしているのが学生時代の原口さん

取材会場で、原口さんと再会。顔立ちは変わらないが、少し落ち着いて、風格を感じる。

知っているからこそ、何を話せばいいのだろうか迷う。

とりあえず、「お久しぶりです。元気ですか。」と挨拶。

「元気です。こちらこそ、お久しぶりです。」と笑顔の彼を見ると、時が戻ったようで、少し落ち着いた。

ここで、「学生の時は、本当にいろんな地域活動の現場で会いましたね。どういうモチベーションだったんですか。」と聞くと、「松島先生の存在が大きかった。」と話してくれた。

松島先生、私も知っている。当時大学でキャリア教育を担当され、大学と地域をつなぐ活動に非常にアクティブで、2021年惜しまれつつ、大学を退官された人だ。

やはり学生には、こういう存在が重要だなと改めて感じた。

ここで、学生から修士、博士を経て助手となるまで、長浜バイオ大学に居続ける原口さんに「なぜ、長浜バイオ大学を選んだんですか。」と尋ねると「弱小校が強豪校に勝つストーリーが好きだ。」との答えが返ってきた。

続けて「長浜もそう。もっと盛り上げたい。」と語り、
さらに「だからこそ、大学と長浜の関係を増やし、高めていきたい。」と括る。

少し辛口だが、大学と長浜への愛情を感じる。

米川の魚の生息について、遺伝子分析の手法で説明する原口さん

原口さんの専門は、バイオサイエンス。「生き物は、好きなんですか。」と聞くと、なんと特別好きというわけではないそう。「自然に恵まれた地域で育ったので、幼いころは、魚、ザリガニ、カブトムシなどを採って遊ぶなど、自然が生活の中に溶け込んでいた。」と話す。

研究の傍ら長浜駅前のえきまちテラス長浜のオサカナラボの運営に関わる原口さん

また、元々は医学部志望で高校時代は生物学をあまりやっていなくて、大学に入ってから、同級生に追いつこうと、先輩から本を借りて土日や夜も勉強したとのこと。「1年生の後期で、生物学について、ようやく同級生と同じ土俵に立てたときは嬉しかった。」と笑顔の原口さん。芯の強さが垣間見える。

今は再生医療をテーマとして、医療系の研究に励む原口さん。

医師の道ではないが、元々の夢であった医療に関わっていることを、単純にすごいと思う。

「再生医療って難しそうですね。」と水を向けると、「だから、もっと知ってもらいたくて、サイエンスカフェを始めたんです。iGEM(※1)という合成生物学の国際大会に挑戦したのも、多くの人に知ってほしいということが動機。iGEMについては、2015年には金メダルも取れて嬉しかった。」と笑顔を見せる。切り開くのは自分だという意思を感じた。

※1  iGEMの件 長浜バイオ大学ホームページ

ここで、「長浜は大学に何を期待していますか」となんと逆質問を受けた。

「おっ!」と思ったが、南長浜地域のまちづくりを考えるワークショップで話題になったことを提供する。

「長浜の食文化、特に発酵文化を発信するのに大学と協働したい。」、

「若い人がもっとまちに出るようなしかけを共に考えたい。」

そんなことを話すと、大学への期待の大きさを感じてか、引き締まった顔を見せる原口さん。
「もっと学生に人と接することの良さを伝えたい。自分も先生や先輩に橋渡しをしてもらった。今度はそれを返したい。」と静かに自ら語る。

そんな原口さんに「将来は、どうなっていると思いますか」と問いかけてみる。

「長浜曳山まつりの裸参りとかに毎年参加して、長浜にどっぷりつかっているイメージが浮かぶ。」とまず、自分のパーソナルな部分を先に語り、続いて、「研究者としてやるべきことをやって、評価してもらえるような研究をしたい。」と力強く語ってくれた。

今は、多くの人の関わりを得て、学生たちと養蜂にも挑戦中。今後は、酒造りや研究に役立てたいと意気込む。

仲間とともに進める養蜂 その巣箱の前でのショット

多くの人や学生と一緒に、一歩ずつというスタイルが彼らしい。
今後も一事が万事、このように進むのだろう。

彼がいれば、長浜市そして長浜バイオ大学の未来は明るい。
やはり、「長浜バイオ大学の申し子」だ。

◯長浜バイオ大学インスタグラム

◯近江淡水生物研究所インスタグラム

〇米長滋彦の養蜂会インスタグラム

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