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パンフレットに載らない街

ミラノから北東へ2時間の位置に、
「ヴェローナ(Verona)」
という街があります。

普通、イタリアと聞くとローマ、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェなどなど沢山の名前が浮かぶでしょう。そして、それらはどれも観光地として栄え、今私が滞在しているミラノも観光客で溢れかえっています。


そんな中、ひっそりと影を潜める名所がヴェローナという都市で、ミラノとヴェネツィアのちょうど間に位置するこの街にはローマにあるはずのコロッセオによく似た建物があります。名前は「アリーナ(Arena)」。


アリーナというのは元々「砂」を意味していて、円形の闘技場の中央が砂で覆われていたことがその語源となっています。今日では以下の写真のようなものをアリーナと言い、たまにライブ会場の名称とかでも使われているのを見かけますが、実際の意味は「砂」だそうです。笑
#知らなかった



観光と聞くと、どうしてもパンフレットやネットに載っている名所から行く場所を決めてしまいます。それは私たちが常にそこで住めないからこそ、ある意味でコスパの良い回り方だからです。実際、名所には名所なりの理由があって、名画には名画なりの理由がありますから、あながち間違いでもありません。


しかし、世界の面白いものは意外と表にあまり出てこない場所に隠されていたりします。別に特定の何かを思いつく訳ではないんですが、今回の「アリーナ(Arena)」も行く前日に現地の友達に教えてもらったのがキッカケで、本来はこんなの予定に一切ありませんでした。笑


街で栄えている中央広場
ジブリに出てきそうな雰囲気

この街の多くは赤色の建物が典型的なので「赤い街」の相性が付いているそうです。ちなみに、共産主義の人も多いため、2重の意味で「赤い街」と付いているという話は…まぁ、本当だそうです…。笑


私たちが近頃向き合っている「コスパ」に対しての特効薬はおそらくこういった予想だにしない経験を幾つかしてみることにしかないと私は思います。

絵画の面白さって何か?と問われたら「まずはラファエロとかゴッホとかレンブラントの絵を見てきて」と言わざるを得ないように、やっぱり自分の肌でその意味を感じる方が早いです。


ちなみに、コスパ主義が一切ダメかと言われれば別にそんなことはない。忙しい私たちにノロノロ生きるのを許さないのはある種社会のシステムだからです。抵抗できるものもあれば抗えないものもある。

ただし、分かるっていうことは…
そう簡単なことじゃないですね。

批評家の小林秀雄(いつも話に出して申し訳ない限りですが…)が「分かるってことと苦労することは同じことですよ!」と言ってますでしょう。つまり、分かるっていうことは暗記したり知識を捕まえることとは違う訳です。

自分自身の五感を信じないといけない。
体に託してみないと始まらない。


ヴェローナでそんなことを
再確認していた私でした。

今日、有料のメルマガでは「観光地での予算づくりの上手なやり方について書きました。ミラノ大聖堂とアリーナ、日本の神社仏閣を例に出して「どうすれば予算づくりができるか?」について3000文字ほどで書いています。

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では、また明日
長濱(2024.4.29)

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