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中古マンション相場価格の調べ方

リノベーション向きな中古マンション、相場価格の調べ方。定期的に聞かれるので、記録として。(築30年以上の物件が、対象イメージ)

「これ割安だと思うのですがどうでしょう!」と日々相談をいただく。不動産の価格に正解はないもの。その前提で「これは外してる(T_T)」事例がある。そこに落ちないように、役立てばと。

基本的な考え方

「マンション内の成約事例」から見ることが大事
中古マンション相場は「棟内⇒周辺」順に広げて見る

  • 棟内事例:まずマンション内の事例を見て、周辺事例を見る

  • 成約事例:売出し事例より、最後は成約事例を見る

不動産会社の査定資料も、以下順序が多い。この順序で、数字の信頼性が変わるため。

  1. マンション内の成約事例

  2. マンション内の売出し事例

  3. 周辺マンションの成約事例

  4. 周辺マンションの売出し事例

なぜ棟内事例から見るか

築年数が経つほど、物件の個別性が高い。同エリアにある築50年の物件でも、管理状態・土地権利・管積の重さ・その他条件で相場が決まる。

具体事例を一つ。以前あげた赤坂パインクレスト。直近は、坪400万後半(リフォーム済み)で流通している。同エリアの築年同じマンションと比べて、単価が高い。理由としては、大規模マンションで管理良好、管理費・修繕積立金も安い。共用部等も、実需受けしやすい状態に修繕されていることに起因している。

この物件を棟内事例から見ると、妥当な価格を間違えない。これを周辺事例から見ると「築年数が同じで、もっと単価安いマンションがある」となる。

ただ単価が安いということは、上記で上げた「管理・修繕・土地権利」等々に何か理由があることが多い。中古マンションは個別性が高いものとして、棟内事例から見た方がいい。

なぜ成約事例を見るか

加えて、不動産は在庫価格と成約価格に乖離がある。直近だと首都圏の平均で5%ほど。例えば、5,000万でポータルサイトに載ってる在庫物件は「平均」4,750万ほどで成約している。この乖離を想定しながら見る。

出典:公益社団法人 東日本不動産流通機構 月例速報 Market Watch2023年4月

よくある事例

よくあるのが「周辺の売出事例を比較して、妥当な価格を判断する」ケース。周辺マンションとの売出し比較で単価が安いということは「何か」理由があることが多い。特に、一定期間残っているのであれば。周辺の売出し事例だけエクセルにまとめても、その物件の妥当な価格はわからない。

「棟内」の「成約事例」をまず抑える。ここがいちばんの事実情報。これを起点に広げていく、じゃあ売り出しはどうか、周辺はどうか、広げるほど参考情報になる。これを逆からやると、特に築年数が古いマンションほど大きく結果が変わってしまう。

簡易的にはこう見る!

さっと見たい人は、まずマンションレビューを見ると良いと思う。過去の売出し情報を記録してるので、ざっくり相場がわかる。自分ならここの数字を-5%ほど引いて、まずあたりをつける。築古マンションなら、大体それがリノベ済みの相場ぐらいとイメージする。

そして「成約情報」は、業者用のデータベースにしか載ってない。なので、ガチ検討の物件は「棟内の成約事例を見せてほしい」と仲介担当に相談するといい。内見前後だとうとまれることもあるかもしれないが、申し込み直前なら見せてもらえるはず。本気かつ購入与信があることを共有した上で、申し込み前に答え合わせする。

長くなったが、査定は「棟内の成約事例」から。まずここを抑えたい。

またその上で「必ず相場で買わないといけない訳ではない」ことも合わせて伝えたい。実需購入は時間を見方につけられる。事実情報を把握することは大事。その上で「購入目的に合っていること」に尽きると考えている。このあたりもまた別の機会に。

以上、中古マンションを検討する人の一考になれば!

質問は、Twitter・インスタDMかこちらまで!


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