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教育学部鈴木ゼミの夢サンド誕生秘話 vol.01 〜大村市の小学生と地産地消を考える〜

”サンドイッチ”はたくさんの可能性を秘めた調理パン。パンの間に挟む素材によって、大人向けにも子供向けにも、食事用にもスイーツにもなるワクワクが詰まっています。長崎大学教育学部の鈴木慶子教授は、2021年の3年生ゼミの3人(廣瀬翠さん、岩本菜那さん、植田優貴音さん)にあるミッションを授けました。小学校と地元企業との掛橋となり、小学生が考えたサンドイッチを商品化するお手伝いをすることです。ここでは3回に分けて、3人の成長についてのお話をします。

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萱瀬小学校の6年生と地産地消を考える。

大村市立萱瀬小学校は大村市の中心部から車で10分ほどの場所にあります。黒木渓谷への登り口に位置し、目の前には郡川が流れていて、自然いっぱいの美しい場所です。また、全校生徒はわずか73人の小規模小学校でもあります。その萱瀬小学校で、鈴木ゼミの3人は6年生12人のクラスで1時間の授業をさせていただくことになりました。3人は担任の先生からは「最近、児童たちはSDGsを学んでいる」と伝えられていました。そこで、地産地消をSDGsの観点から考えた授業展開にしました。大村市は県内きっての農業地帯ですし、萱瀬地区には人気の直売所もあります。地域の農産物を知り、活かす方法を考えるにはうってつけの環境です。

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地産地消のメリットを学ぶための小道具たち

地産地消とは「地元で生産されたものを地元で消費する」こと。一見単純に思えますが、「新鮮な食品を安く手に入れることができる」「生産者の顔が見えることで食材の安心安全を確認できる」などの要素を”メリット”として認識するには、生産者から消費者までの流れ”流通”を理解する必要があります。そこで3人は「農家が採れたての農産物を地元のスーパーや直売所に納品。消費者が安心安全な食材を確認しつつ購入。自宅で料理され美味しく食べるまでの流れ」を紙芝居にしました。

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また、児童が地産地消を疑似体験できる小道具を作りました。直売所へ行く設定で、生産者が紹介してあるポップを見ながら、ピザのトッピングになる食材を買います。

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授業は大成功でした。児童は楽しみながら地産地消を学ぶことができたようです。また、思っていた以上の効果もありました。

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「授業の内容以上に印象的だったのは児童が大学生に興味津々だったことです」と話すのは植田さん。「児童はみんな素直で、私たちを大歓迎してくれました。そして、たくさんの質問を受けました。『大学は何が楽しいの?』『大学で何をするの?』といった素朴な質問です。萱瀬小学校は私たちが普段から交流している附属小学校と違って教育実習生が来ることがないので、大学生に接することが少ないようです。私たちとの交流から、大学生の存在を知り、勉強することの意味を考えるキャリア教育の機会になったようでした」。

改めて教育の奥深さ、面白さを学んだと話す3人。大学生と小学生、双方にとって貴重な体験となった1日でした。またこの日、3人は6年生への課題として「夢サンドを考える」というプリントを担任の先生(長崎大学教育学部の卒業生でもあります)に託しました。地元の食材を使って作るオリジナルサンドイッチを、イラストと文章で表現する課題です。どんなサンドイッチの案が届いたかは、続きのvol.02でご紹介します。

vol.02とvol.03は下記からご覧ください。 ​


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