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「『2030年』すべてが『加速』する世界に備えよ」を読んで

自分で買った本ではなく借りた本ですが(笑)、感想を書きます。
ちなみに頭の表紙の絵はよく見れば違いがわかると思いますが(笑)、アイキャッチーなデザインという意味では秀逸ですね。

発売されたのは少し前、2020年12月ですが、ベストセラーにもなっている本ですので、興味を持って読みましたが、正直「ふ~ん」というところで、そんなに目新しいところも無い、と言う印象でした。100%文字で図表もなく、ボリュームはありますが読みづらいので、途中からはほぼ斜め読みです。

発売から3年以上経っていて、2030年はあと6年というところで、そんなに遠い未来ではありません。すでにある技術や研究に基づいて書かれているので、内容としての信憑性は高いと思います。ただし、それが2030年に実現されるかどうかはわかりません。詰まるところ、ビジネスとして収益が上がりそうなところには資本投下されるので加速しますし、そうでないところはペースが下がりますし、実現されないかもしれません。2020年時点での技術や研究開発動向を切り取ってまとめたという意味での資料価値は高いと思います。

「変化の速い時代」「不確実な時代」と盛んに言われますが、本当にそうでしょうか。コンサルが自分の商売のために煽っているだけ、というのが私の印象で、この本もその類の一例に思えます。おそらく明治維新後とか太平洋戦争終戦後の方が社会の変化は激しかったでしょうし、私の感覚でも自分が小学生から大学生までの70年代後半から90年代前半の方が変化は速かったと思います。昔に書かれていた21世紀予想では、宇宙旅行とか当たり前でしたよね(笑)?当時の感覚では、2024年になってまだ出来てないの?という感じです。生成AIが登場して、ようやく進化のペースが追いついたというところでしょう。

これらの技術進化は従来からの流れであって、むしろ求められるのは価値観のアップデートでしょう。宇宙開発に関して言えば、エネルギーをジャカスカ使って実現する方式が求められる姿とは思えません。また、今でも「技術的には出来る」ことは山のようにあるのですが、当然技術的難易度が上がるということはお金がかかるということでもあって、先に書いたように資本投下されないものは実現されない、という実態があります。イーロン・マスクのような資産と先見性を持った人間が主導するのか、ベンチャーが資産家を動かすのか、大企業や国家はどう関わるのか、といった関係性にも変化があるでしょう。

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