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サスペリアかハロウィン

 子どもの頃一緒に本屋に行くと、母は自分の目当ての棚に向かい、わたしは平積みされている漫画雑誌を読んだ。
 サスペリアかハロウィンだったと思うんだけど、怖い漫画ばかり載っている雑誌に、口裂け女の話があって、口裂け女は存在は知っていたけど、その漫画のは絵がすごく怖い、それで最後のページが見開きだったんだけど「次は、名前に「さ」が付く子を口裂け女は狙いに行きますよ」みたいなことが書いてあって、わたしは「さやか」だからえー! となり、しばらく怖い思いをした。
 2つ上の近所の子とふたりで、大きい道を渡った先にあるスーパーに、その道は危ないから子どもだけで渡っちゃだめだと言われていたのに行って、怖い話の雑誌とバニラアイスをふたつずつ買った。バニラアイスがふたつはわかるけど、怖い話の雑誌は1冊を回し読みすればいいのに2冊買って、親には道を渡ったことをすごく怒られた。
 世にも奇妙な物語の、すごろくをやって止まったマスに書いてあることが本当に起こってしまう話が、子どもの頃とても怖かった。
 
 

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