あだ名は誰が決めるのか
小学生の時、心ない言葉で女の子をからかう子たちがいた。
天然パーマでショートカットの小さな女の子はおとなしい性格だった。
髪型が大仏みたいということで、ストレートに大仏というあだ名が。
嫌な気持ちを抑えきれなかったのでしょう。ある日先生に相談した様子。
学級会で先生は「あだ名を禁止にします」と宣言したが、私は自分につけられているあだ名が、呼び手からの親しみが感じられて好きだった。
意見を言うことが好きだった当時の私は、あだ名が全て悪いものではない、良いあだ名もある、と訴えた。
少し地味な男友達の鳥羽君と、あだ名が話題になった。
「ねえ、あだ名で呼ばれるならどんなのがいい?」
「うーん、トバットでいいよ」
鳥羽君がいつからトバットを温めていたのかは知らないが、千載一遇のチャンスだったのだろう。迷いがなかった。
誰もトバットとは呼ばなかった。
彼は今まで通り「ミジンコ」と呼ばれた。
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