客観的視点が生む言葉の距離と味わい:岡田由季句集『中くらゐの町』
中くらゐの町の大きな秋祭
街と町。同じ「まち」でもこの二つは違うと思う。
大雑把にいうと、街は都会のイメージ、町は都会以外のイメージ。
表題句の町は「中くらゐ」とある。
いろいろな意味で全体的に中位なんだろう、規模や人口も交通も利便性も。
もしかすると、普段は取り立てて個性が無い場所なのかもしれない。
その町が秋、大きな祭を開催する。年に一度のハレの行事。
中位の町がにわかに大きく見えるような、誇らしい瞬間。
そして、その場所で暮らし続ける作者。
町の一員としてこれからもこ