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好きな本のはなし(俳句、短歌、ほか)

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句集、歌集をはじめとした「好きな本」の感想ページです。
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記事一覧

明日のある日常:折島光江句集『助手席の犬』

「できるだけ普段着の言葉で、普段着の景色を季語とともに俳句として詠みたい」 自分の心と身…

あんこ
3週間前
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【俳句掲載】『全国・俳枕の旅62選』

俳人・広渡敬雄さんが『全国・俳枕の旅62選』を上梓なさいました(出版社:東京四季出版)。 …

あんこ
3週間前
20

軽やかに、カラフルに:箱森裕美句集『鳥と刺繍』

雷鳥や刺繍の花のその軽さ 句集タイトルのイメージにもっとも近い作品を挙げるとすれば、上記…

あんこ
3か月前
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愛とかなしみの背理法:土井探花句集『地球酔』

こんな日は仲間はづれの雉が好き この句の中に自分を見る人、あるいは共感する人は、「ここに…

あんこ
4か月前
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独自の詩の森の世界へ:しなだしん句集『魚の栖む森』

死角の無い句集である。 どこから読んでも、どの句を読んでも面白い。 溜息が出るほどだ。 全…

あんこ
5か月前
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月を仰ぐことを忘れない人:杉山久子句集『栞』

句会でも思うけど、俳句作品がまとまって掲載された句集を読むたびに思うことがある。 「どう…

あんこ
6か月前
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俳句を紹介・鑑賞いただきました☆

角川『俳句』7月号に掲載された12句作品のうち、数句について写真の俳句結社誌でご紹介いただきました。 どうもありがとうございます😊 ◆『氷室』9月号(主宰・尾池和夫氏、執筆者・大島幸男氏) 制服に着られてゐる子ひめぢよをん ◆『ランブル』9月号(主宰・上田日差子氏、執筆者・高瀬瑞憲氏) 傷みつつ微笑んでゐる苺かな ◆『田』9月号(主宰・水田光雄氏、執筆者・上野犀行氏) よく猫に会ふ一日よ若葉風 傷みつつ微笑んでゐる苺かな サラダからはじまるランチ夏館 糸ほどの水に

客観的視点が生む言葉の距離と味わい:岡田由季句集『中くらゐの町』

中くらゐの町の大きな秋祭 街と町。同じ「まち」でもこの二つは違うと思う。 大雑把にいうと…

あんこ
8か月前
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異界への招待状:俳句誌『LOTUS』第51号

クラクラするほどの痛いほどの今夏の太陽。 八月になって、通りは急にふっと音の存在を忘れた…

あんこ
9か月前
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俳句のみが発揮しうる魅力:現代俳句文庫88『金子敦句集』

いつもウキウキ、ルンルン♫で俳句を作れるなんてことは先ずなくて、大体句会や締切など「必要…

あんこ
10か月前
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感謝の証:渡部有紀子句集『山羊の乳』

あれは、所属する俳句結社「炎環」の記念大会。 当日、お祝いの為に出席してくださった大勢の…

あんこ
10か月前
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【12句掲載】角川『俳句』2023.7月号

現在発売中の角川『俳句』7月号。 柏柳明子の俳句作品12句『玩具』を掲載頂きました。 お読み…

あんこ
10か月前
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第一句集『揮発』、紹介いただきました

先般、簡易版として限定作成した柏柳明子・第一句集『揮発』。 早速、ご購入のお申込みをいた…

あんこ
11か月前
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連句誌『みしみし』11号の参加、そして連句の魅力

2023年春、連句誌『みしみし』(不定期刊行)の最新号(11号)が刊行されました。 編集人は「豆の木」でご一緒の俳人・三島ゆかりさん。 俳人・連句作家・歌人・柳人などなどがゆかりさんの声掛けにより集合、インターネット上で三十六歌仙を巻いていきます。 私は一年前に「手鏡の巻(旧題・根分の巻)」に参加した縁で本号に俳句作品を掲載いただきました。 そこで今回、『みしみし』11号と連句の魅力について書いてみたいと思います。 (長文ですがお付き合い願えれば幸いです😊) 『みしみし』