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【読書】一月・二月に読んだ六冊

 ちょうど、noteのアプリから「2月28日までに投稿したら二か月連続投稿になる」という通知が来たので、二か月の間に読んだ本について書く。

※すべて個人の感想です

八咫烏シリーズ 『楽園の烏』


 シリーズ第二部の始まりに当たる作品。第一部の方は数年前に読んでいたので、ほとんど主人公と同じ気持ちになりながら読んでいた。時代が第一部から二十年経っているため、登場人物が再登場するたびに「あの後何があったんだ!?」と驚かされた。また、登場しない人物に関しても意味深な言葉がたびたび見られ、生死でさえ不明なのがすごくどきどきする。
 阿部智里さんらしい(と勝手に思っている)終盤に来る様々な「驚き」が、すごい気持ちいい。この話だけではもちろん終わらないので、いろいろと謎は残ったままであるけれど、それもあまり気にならないくらいすごくびっくりすることが続く。八咫烏シリーズを文庫版で揃えてしまったために、できるだけ続きも文庫で揃えたいけど……続きも早く読みたい!! と勝手にそわそわしている。

同シリーズ外伝 『烏百花 蛍の章』


 八咫烏シリーズの短編集を集めた番外編。本編に出たキャラクターの恋模様や、作中に出てこない制度だったり貴族回りの細々なことについて書かれたものになっている。第一部を読んだときに買ったまま、本編だけで満足して読んでいなかったものを第二部読んだ熱量のまま読んだ。
 六編あるお話の中で五編が恋愛に関するお話になっている。山内(シリーズの主な舞台)の文化は平安時代に近い。そのため、身分の違いで諦めなければならない想いもあるし、貴族の中にあるしがらみでままならない恋もあってすごくもどかしく感じる。それでも、男女ともに強かに生き抜いていくのがとても素敵な作品。

同シリーズ外伝 『烏百花 白百合の章』


 こちらも短編集を集めた番外編。『蛍の章』とは違い、貴族だけでなく職人さんや登場人物の家族、本編に登場したのに心の内や過去が知られてない人物のお話が書かれている。
 どうしても続きである『追憶の烏』が読みたいが、文庫版で揃えたい……の気持ちに一度クッションを挟むために、衝動で単行本の方を買ってしまった。シリーズの特設サイトにあるおすすめの順番では『蛍の章』→『楽園の烏』→『白百合の章』となっている。けれど、内容としては第一章を完読していれば内容はわかるものになっていた(はず)。
 私が特に好きなお話が『おにびさく』という作品。職人が多くいる地域に住む「鬼火灯籠」の職人さんが主人公のお話になっている。本編では主に宮中や中央が舞台のために、あまり描かれてない一般(?)の八咫烏の生活から文化が良く見えて興味深いなと思って読んでいた。他にもそういったことが描かれたお話もあるが、なんだか一番心に残っている。

『春夏秋冬 代行者 夏の舞』上下巻


 我が家では父と共にすごくハマっている作品の二作目。前作は春主従の話だったが、今作は春の事件が落ち着いた後の夏主従(夏姉妹の方がいいのか?)の話。個人的に秋主従がすごく好きなのだが、春事件の後の様子がすごく心配になっていたのは夏主従だったからすごく楽しみにしていた。
 今手元になくて詳しく感想を言えないけれど、前作に言葉だけ出てきた『巫の射手』の存在が出てくる。ずっとどういう人なんだろう……と気になっていたので、出てきてすごくわくわくした。シリーズ通して代行者とその護衛官たちには次々に難がやってくるし、今作は特にうまくいかなくて苦しく思うところもある。そんな中で、みんなには幸せになってほしいと祈りながら読んでいた。

『春夏秋冬 代行者 暁の射手』


 時系列で言うと、『夏の舞』から少し経ったあとのお話。少しだけ登場した『暁の射手』が主人公の作品になっている。前作でも『巫の射手』についてかなり詳しく触れられていたが、もっと細かなことについて詳しく書かれている。主人公の『花矢』のことが前作からかなり気になっており、『夏の舞』を読み終わってからそわそわしていたところに出版されて、すぐ買った。
 作中にリモートで連絡するシーンを見ていると、きっと前任のころにはまだ発展してなくて本当に大変だったのだろうなぁ……というのを思わせる。逆に、発展してきて現人神たちで助け合っているのがとてもいい。尊い。主従の信頼や愛情や、恋愛のような強い思いの描き方がとても素敵で、暁 佳奈さんの作品に出会えてよかった。

『カササギ殺人事件』上下巻


 一月末から二月末まではずっとこの作品を読んでいた。

 この感想が全てと言ってもいいくらいだけど、ちょっと補足的な。
 父親が高校生の時、演劇部に所属してアガサ作品を演じていたらしい。その関係で、よくおすすめの本としてアガサ作品の名前を聞いていた。私が中学生くらいの時に機会があって読んではみたけれど、翻訳に読みにくさを感じて最後まで読めなかった覚えがある。
 『カササギ殺人事件』も少しとっつきにくさとか、読みにくさは感じた。でも、ちょっとした表現が後々の伏線になっていてびっくりする場面もあった。カササギのことを「Magpie(マグパイ)」というのを全然知らないまま読み始めたので、作中でてくる「パイ屋敷」のことを「パイを焼いてくれる優しい人が住んでる屋敷」だと思ってた。そんなことはない。

 ネタバレのことを考えて具体的には書けなかったが、どの作品もすごく面白くて楽しい本だった。これでおおよそ積読していた本を読み切ったので、ようやく文学フリマで買った本が読めるのにわくわくしている。

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